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コンテスト編

Update: 1999/1/1


はじめに

世界各地で行なわれるマジックコンテストの中で、最も権威のあるのがこのFISMのコンテストです。歴代の優勝者をみると、その時代のトップスタ−がその栄誉に輝いていることがよく分かります。

中でも、フレッド・カップス(1950,1955,1961)、リチャ−ド・ロス(1970,1973)ランス・バ−トン(1982)の3人が群を抜いているでしょう。

今回は、日本での開催という貴重な機会だったので、是非いろいろのチャレンジャ−の演技を見たかったのですが、結果的にはごく一部のものしか見ることが出来ませんでした。

そこで、私が見たもののうち、印象に残った演技について書くことにします。

<ステ−ジ部門>

*グレッグ フリュ−イン(7/26)

斬新なアイデアと小気味よい動作から生み出されるビジュアルなイフェクトが彼の魅力です。ダブルビジョン時代の粗っぽい雰囲気が消え、とても洗練された印象を持ちました。細かい点では、退場の仕方に感心しました。最後の演技を決めた後、駆け足で舞台の袖に引っ込むタイミングがとてもスマ−トに見えました。 ただ、鳩に色をつけている点は、個人的には好きではありません。

*カズ カタヤマ(7/26)

カ−ド、ステッキ、シルクを組み合わせた手順とその演技は、完成品です。今回は少しあがっていたのか、なんとなく演技が小さかった気がしました。

*渡辺由美(7/26)

カ−ドとボ−ルという難しいスライハンドを女性的な柔らかさで見事に演じました。特にカ−ドがひらひらと落ちていく効果が印象的でした。

*長谷和幸(7/27)

彼の演技は、もう少し小さな会場で見たいと思います。今回のような大きな舞台では、演者の意図が伝わりにくかった印象です。

*マジック セロ(7/27)

舞台装置のスケ−ルの大きさと美しさには驚きました。構成もよく練られておりとても素晴らしい演技だったと思います。

*内田貴光(7/30)

最終日の入賞演技を見ました。今回の彼の演技は、マ−カ・テンド−以来のカ−ド・マニピュレ−タの誕生を世界に印象づける結果となりました。1年前の素人っぽい粗い印象の演技と比較すると、格段の成長を感じさせます。テクニックだけでなく、間の取り方、キメ方などステ−ジアクトの面でも精進のあとが見えます。今後、間違いなく世界に羽ばたく1人になるでしょう。ただ、個人的にはますますエスカレ−トしていくカ−ドのジャンボ化の風潮は好きではありません。カ−ドやボ−ルなどのオ−ソドックスなスライハンドは普通サイズのカ−ドやボ−ルが美しく出現するところが好きです。

*フランクリン(7/30)

コンテストの時は見られませんでしたが、最終日のグランプリ受賞演技を見ることが出来ました。彼の演技は、細かな点でいろいろと工夫がありそうですが、全体としてはあまり印象に残っていません。他の人と同様、彼のグランプリはちょっと府に落ちませんが、採点を集計したら、結果的に最高得点だったという気がします。今回のグランプリ受賞が、彼にとって逆に重荷にならなければよいのですが。

<クロ−スアップ部門>

*栗田研(7/26)

マジックフォ−ラムからの唯一のチャレンジャ−。みんなで応援しました。マジックの不思議さ、構成の巧みさはますます磨きがかかってきましたね。フェクタ−の主催者からのマジックのネタ公開依頼がそれを証明しています。おめでとうございます。(^_^)今度は是非英語バ−ジョンにチャレンジして下さい。

「マジックと言語」に関して、議論が続いていますが、国際大会のコンテストでは、英語を使用すべきだというのが、私の意見です。

特にクロ−スアップでは、セリフの持つ役割は大きく、審査員に言葉の意味が伝わらないのは、大きなマイナスだと考えています。

この点については、改めて別の機会に触れたいと思います。

*佐々木節夫(7/26)

彼は、私の所属する横浜マジカルグル−プ(YMG)からの唯一のチャレンジャ−でしたので、同様に応援しました。今回の演目は、これまでSAMのコンテスト等で演じてきたものが中心のカ−ドマジックでしたが、落ち着いて堂々と演じきったと思います。今後ともカ−ドマジックにこだわり、より一層の飛躍を期待します。

*ピット(7/26)

今回、私が最も気に入ったドイツからの若きチャレンジャ−でした。オ−ソドックスな演技スタイルと爽やかな印象は、将来のスタ−を予感させます。

*ロコ(7/26)

昨年?の初来日以来、前評判の高かったロコ・シラノの演技を初めて見ました。彼の印象は、艶っぽさと華を感じさせるいわゆるスタ−性を持つマジシャンです。しかし、今回の演技内容は、いま一つ不完全燃焼という感じでした。

*カ−ル クロ−チェ(7/27)

マイクロ部門1位の彼の演技は、残念ながら見損いました。ただ、次の来日の時、初めて見られるという楽しみが残りました。(たんなる負け惜しみ?)

1994.8.16 スティング(MHB01374)


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Update: 1999/1/1