FISM'94 (横浜大会)レポートfism94s.jpg (4045 バイト)

運営上の問題点(その2)

Update: 1999/1/1


(2)クロ−ジング・ガラショ− (7/30  16:30-18:00)

きみちゃんの指摘した"I'm not an interpretater"問題について書きます。司会者は、ふしぎ良さんと西森マリ−さんでした。

ここでの問題点は、チャン助さんときみちゃんが既に指摘した以下の2点です。

1)司会者二人の険悪なム−ドがショ−の雰囲気を台無しにした。

ショ−において、司会者の役割はとても重要です。事前の打ち合わせをしていないのでしょうか。(形式的にはやっていたはず?)お互いの役割の重大さを理解していれば、こんなことにはならないでしょう。

これに比べて、前日のガラショ−のアリボンゴの司会は見事でした。品格を感じさせるし、幕間のちょっとしたマジックもショ−の息抜きにぴったりです。特に感心したのは、フィナ−レの後に出演者全員を先導して、客席まで降りて行進をした場面でした。観客へのサ−ビス精神がたっぷり感じられて、また出演者と観客が一体となってショ−を締めくくるという心憎い演出でした。

2)英語の通訳がほとんど満足になされなかった。

西森マリ−さんは、これまで数多く日本での国際大会の通訳を経験され、多くの奇術愛好家から好感を持たれていた女性でしょう。しかし、今回の言動は不可解でした。私たちの知らないところで、どんな事情があったにせよ、明らかに通訳の立場にあったのは明白です。プロとして割り切って仕事をして欲しかったと思います。

(3)国立大ホ−ルにおけるジャンボトロンの使用

これも既に多くの人から指摘されていますが、マジックショ−における舞台中央のジャンボトロンの使用は、全くのミスでした。とても、マジックを知っている人が企画したとは思われません。生のマジックショ−の雰囲気をどれだけ壊してしまったかは、早く申し込んで、良い席を確保した人たちが一番よく感じているでしょう。

(4)1日入場券はなぜ発行されなかったのか?

FISMが日本で開催されることが決まった時、日本の多くの一般の人たちに世界の一流マジシャンの演技を見て欲しいと思いました。どう考えても、5万円払って6日間通しの入場券を買う人はマジックをやる側の人です。そこで、当然ナイトショ−だけの1日券が販売されるものと思っていました。横浜市民には、初日と最終日のガラショ−の無料入場券が配られましたが、これも横浜市民の私でさえ、どういうふうにして手に入れられるか当日まで知りませんでした。収容人員の少ないメインホ−ルでのガラショ−でも、2回入れ替制にしたのですから、十分席の余裕はあったはずです。

マジックの素晴らしさを多くの日本人に伝え、マジックの社会的地位を向上させるには、今回のFISM横浜大会は絶好の機会だったはずですが、みすみすそのチャンスを逃してしまいました。

(5)ウエルカム・パ−ティ− (7/25  15:00-16:30)

VIPおよび招待者を対象に初日にウエルカム・パ−ティ−が行なわれました。なぜ、一般の参加者が出席できないのかも疑問ですが、後でだるまさんから、信じられないことを聞きました。FISM日本誘致の最大の功労者であったフロタマサトシさんが、会場入口で入場を拒否され、結局参加出来なかったというのです。入口の入場チェック係の人がたまたまフロタさんがどういう人物か知らなかったという初歩的ミスと思いたいのですが、それにしても酷い話です。そういえば、大会プログラムの実行委員会のメンバ−紹介には、フロタさんの名前が落ちています。たしかに途中のゴタゴタでフロタさんは大会会長の座を降りることになりましたが、私の記憶では顧問あるいは相談役としてFISMに協力するというアナウンスがあったはずです。よく見ると、特別顧問として沢田隆治(フジテレビ)氏の名前が上がっていました。

LILLIPUTさんが紹介されたニュ−マジック誌の記事でも分かるようにFISM日本誘致の陰にはフロタさんの個人的活動とFISM関係者のフロタさんへの高い人望がありました。前回述べたナイト・パ−ティ−には、フロタさんも出席されていましたが、フロタさん自身、どんなに寂しい思いをされたか想像にかたくありません。

(6)大会運営における時間管理のずさんさ

多くの人が集まるイベントでは、その時間管理とトラブルが起きたときの迅速な判断と適切な処置が要求されます。しかし、ここでも、数多くの不手際が発生しました。

1)オ−プニング・ガラショ−(7/25  17:30-21:00)

長すぎるセレモニ−が終ったあと、さあこれからマジックが見られると思った瞬間、「これから30分間の休憩です。」というアナウンスには、来場者全員唖然としました。みな、これは最初の出演者のセッティングに何かトラブルがあったものと予想しましたが、後であらかじめこの予定だったといいます。

2)インタ−ナショナル・ガラショ− (7/28  19:45-22:00)

私は、青組だったため、赤組の人に後から聞いたのですが、会場が1時間遅れたのにもかかわらず、入口前に1時間以上も多くの人たちを何の説明もなしに立たせたままで待たせてしまったようです。不測の事態が起こるのは、止むを得ないことですが、少なくとも主催者側は、次のようなアクションをとるべきでした。

 ・行列して待っている人に、準備が遅れている事をスピ−カ−等を使って知らせる。(一応、入口付近に貼紙で表示してあったそうですが、後ろで並んでいる人には状況が伝わりません。)

 ・10分ぐらいの遅れなら許容範囲だと思いますが、あまり遅れるようなら、いったん開場させ、座席で待ってもらう。

以上、長々と書いてしまいましたが、改めて今回の運営の酷さを実感しています。今後もFISM以外のさまざまな国際大会が日本で開催されることと思いますが、2度と今回のようなミスを繰り返さないように、あえて厳しく書きました。

中には、一部の方には失礼な表現があったかと思いますが、マジックを愛する一愛好家の意見としてお許し下さい。

1994.8.7  スティング(MHB01374)


btBack.gif (2191 バイト)


Copyright © 1998-1999 Yasuo Nakamura. All rights reserved.
Update: 1999/1/1