フレンドシップ・コンベンションで印象に残ったマジシャン達(その1)

ワン・タマリッズ(JuanTamariz)

Update: 1998/1/15


ワン・タマリッズ(JuanTamariz) ・・・ ステ−ジ(8/11)、レクチャ−(8/12)

ステ−ジショ−は、コミカルなカ−ド当てとハンカチ切りの復活。
初めて見る演技に胸をときめかせましたが、私の好みではないという印象でした。
特異なキャラクタは感じるものの、ちょっとついていけない気がしました。

しかし、この思いも翌日のレクチャ−を見て吹っ飛びました。
いくつか演じたカ−ドマジックの不思議さといったら、これは強烈なものでした。

深井さんではないけれど、「え−っ!!」を連発し、彼のファンになってしまいました。

 特に印象に残っている現象は、以下のカ−ドマジックです。

 ・客の覚えたカ−ドが混じったデックを、客によくシャフルしてもらった後
   カ−ドケ−スに入れてもらう。

 ・別の客に任意の数を言ってもらう。

 ・最初の客にその数の枚数目のカ−ドを開けてもらうと、なんと客の覚えたカ−ドが出現する。

 さらにその後のレクチュアは、前評判通りの素晴らしいものでした。
マジックにおいて重要な5つのポイントを分かり易く解説してくれました。

 1)眼(TheEyes)

 2)声(TheVoice)

 3)手(TheHands)

 4)身体(TheBody)

  5)足(TheFeet)

詳しくは、レクチャ−ノ−ト「thefivepointsinmagic」(3000円)に解説されていますが、彼の何気ない演技の裏には計算され尽くしたステ−ジ理論が隠されているのがよく分かります。

彼のレクチャ−の魅力は、その説明が具体的で分かり易く、説得力がある点です。

例えば、2番目のポイントの「声」のところでは、次のような説明をします。

「すべての客にあなたの声が聞こえなければならない。
客席の一番後ろの席に、おばあさんが座っていると想像しなさい。
そして、そのおばあさんにも聞こえるように、話しなさい。」

このように頭では分かっているつもりでも、ともすれば忘れがちなことも、こんな工夫をすれば、うまくできそうな気がします。

この機会に改めて、ステ−ジ理論を勉強し直そうと思っています。

午後のクロ−スアップショ−の会場では、たまたま近くの席に彼がいて、他のマジシャンの演技を優しそうな眼で見ていたのが、とても印象的でした。

 1990.8.18 スティング(MHB01374)


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Update: 1998/1/15