第28回千葉大学マジックサークル発表会

The 28th Out of This World
- Christmas Carol -

日時:1999年12月4日(土) 開場18:00 開演18:30 終演20:10
会場:千葉県文化会館小ホール
入場料:500 円

Update: 1999/12/12


はじめに

 昨年に続いて、今年も千葉大学マジックサークルの発表会を観てきました。今回は、同期のOB2人と合流し、昔話に花が咲きました。

第1部

1. Welcome to the Carnival !!  本多 雅子(3年)
  (メリケンハット)

 動きに硬さがあり、もう少しリズミカルな感じが出ると良いと思います。技術的にはジャリかけの不自然さが目立ちました。


2.RADIANT SILVERSTICK     山田 太一(3年)
  (ウォンド)

 片手で4本にするところに新しい工夫が見られました。ポーズは少しカッコつけ過ぎな印象。

3.Over                       小室 長(3年)
  (ジュエル)              玉之内 愛(1年)

 ジュエルを出現させた後の嬉しそうな表情は、どことなくユーモラスで観客をホッとさせます。お約束の2人でワイングラスを乾杯するところでは、何故か観客が爆笑するというシーンも。

4.〜Nightmare〜                        宮下 直樹(3年)
  (シガレット)

 スティールがほとんど気にならない点は上手いと思います。塩のプロダクションもスムーズで良かったのですが、手順上の必然性が感じられないのが惜しいところです。

5.百万本のバラード          マイケル
  (パター)

 学年不詳の演者でしたが、ショーの構成上、効果的な息抜きの場面を作っていました。カード当てのサッカートリック(マジックランド商品)をこのように演出で膨らませることが出来る演者は、優れたマジックセンスを持っています。ただ、最後のオチで、「手伝ってくれた客が女性ではなく、男性だったので助手には出来ません。」というところは納得感がありませんでした。

6.Finders keepers                    岡  智美(3年)
 (コーンとボール)

 この演目は、なかなか他では見られない千葉大の伝統芸になっている感があります。大きな帽子のコーンから始まるオープニングも私の現役時代(1970年代)から演じられている手順です。クライマックスでクラッカーを鳴らすところは、その後付け加わったアイデアでしょうか。テーブルに戻るところで、直線的に後ずさりしている動きがありましたが、弧を描くように動くと、もっと自然に見えると思います。

7.月は出ているか           熊谷 竹晃(3年)
  (傘)                  百武 有紀(3年)

 学生の和妻は東大以外には、ほとんど見られなくなりましたが、久しぶりに千葉大の和妻を見た感じです。よく頑張ったと思いますが、現象を起こす動作と動作の間に流れが感じられないところが難点です。最後の大きな傘の出現は迫力がありました。

第2部

8.クリスマスの惨劇           坂爪千里(3年)
  (人体切断)               岩崎 文之(2年) 西村 幸江(1年)
                        山下 高明(1年) 吉田真季子(1年)

 手作りの道具と演劇風ストーリーを付け加えたイリュージョンは、学生の特色がよく出ていてとても面白いと思います。

 助手をやった1年生の女性の動きがいろいろ工夫されていて光りました。長時間、切断状態で頑張った演者は努力賞もの。

9.宿花のように              山本晃弘(3年)
  (リンキング・リング)          清水 美貴(2年)

 昨年の発表会で好評を博した山本君のリングですが、今回は男女の掛け合いでリングを演じるという手順を見せてくれました。二人の息もピッタリで、随所に見せ場を盛り込んでいました。洒落たコスチュームといい、舞台を広く使う演技力も申し分ないですが、反面、マジックの不思議さが少し弱かった点が惜しいところ。

10.殺らせはせん、殺らせはせんぞぉっっっっ !!          黒田 美彦(3年)
  (ビリヤード・ボール)

 難しいテクニックをサラリと演じ、よく練習しているという印象。フィニッシュでボールを落とした瞬間、照明が落ちてしまったのが残念。ここは慌てて消さなくてもよかったと思います。

11.銀色の魔術師                    川口亜矢子(3年)
  (ゾンビ・ボール)

 ボールがよく浮いていました。久々に上手なゾンビを見たという印象でした。

 

12.S-mile generation                 酒井 恵(3年)
   (シンブル)

 動作にキレがあり、見ていて気持ちよい演技でした。スティールの自然さも、今回のショーではピカ一でした。

 

13.Operation GAHTA                     堀越 琢郎(3年)
      (ハト)

 昨年のハトの演者も良かったですが、今年もまたしっかり大トリを締めてくれました。落ち着いていて、安定感のあるハトの演技です。黒いプレートからハトを出現させるところは新鮮で効果的でした。なお、助手がいなくてもよい手順ですが、ショーの構成上からは、助手を使った方がステージが映えるように思います。フィニッシュは、定番の打ち消し籠だと思わせましたが、今年も意外な結末に客席が大いに沸きました。


     ジャグリング   新岡 真也(2年)

 千葉大では珍しいジャグリングのアクト。マジックショーのよいアクセントになっていました。


     MC   大田 彩子(1年)

  今回、見逃せないのは、MCをやった1年生の彼女の存在。愛くるしいルックスにピッタリ合った衣装とマイクの乗りのよいトークは、"Christmas Carol "というマジックショーの雰囲気をいっそう高めました。司会だけでなくショーのどこかの場面に登場するともっと面白かったでしょう。来年以降、ステージでの登場が楽しみな女性です。


OBからのひとこと:

 昨年以上にレベルアップした印象で、嬉しく後輩のみなさんのマジックショーを楽しみました。ショーの構成もバラエティに富み良かったと思いますが、一つだけ気になったのは、シルエットでの登場が多すぎたことです。この演出はたしかに効果的なのですが、多用すると逆効果になります。

 部員数は、1年生15名、2年生15名、3年生16名、4年生11名、計57名というバランスのとれた構成です。昨年より演目数は増えていますが、これだけの大所帯になったら、2年生からの出演をもっと増やしても良いと思います。学生時代の活動期間は非常に短いものですが、後で振り返るとステージに立つというのは得がたい体験です。出来るだけ多くの部員に、この素晴らしい経験をして欲しいと思います。

 今回、同行した同期のOBの一人が我々の現役時代の発表会のアルバムを持ってきてくれました。最後に、その中から珍しい2枚の写真を紹介します。左側は、第5回発表会で私がゾンビボールを演じた時のものです。右側は、同じく、人体交換イリュージョンの助手を務めた時のものです。

 白黒写真というのが時代を感じさせますが、3人で話をしながら気分はすっかり学生時代に戻っていました。

1999.12.12   スティング(中村 安夫)


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Update: 1999/12/12