第6回日本クロ−スアップ・マジック大賞
日時:1990年1月15日(祭) 17:00〜21:30
会場:キャピトル東急ホテル(赤坂)
主催:マジックランド
Update: 1998/1/17
今回で最後の大賞コンテストとあって、会場は大盛況で、客席には以下の有名な方々の顔が見えました。
(敬称略)高木重朗、厚川昌男、沢浩、加藤英夫、近藤博、菅原茂、北見マキ、
引田天功、ナポレオンズ、藤山新太郎、松旭斎すみえ、マ−カ・テンド−ほか
お目当ての、チャニング・ポロック氏は残念ながら飛行機の運航の大幅な乱れにより来日出来なかったことが、アクシデントとはいえ悔やまれます。
さて、コンテストは定刻通り、マックス名人さんの司会により始まりました。
和田祐治さん
トリックスのディ−ラ−をやられている方だと後で聞きましたが、20才のフレッシュマジシャンです。紙幣とサイフを使ったマジックなどを見せてくれました。
小川心平さん
九州のバ−でいつもマジックを披露しているとか。ユ−モアたっぷりの語り口と、ダイス、カ−ドなどによる抜群の演技力が光っていました。
黒木健一さん
登場後いきなり、テ−ブルの上に右足を乗せ、スニ−カ−シュ−ズの紐を使ったマジックが始まります。ほか、口紅と鏡を使ったマジックなど独創的なイフェクトで客席を沸かせました。
マイク・クラインドルさん
鎌倉在住のアメリカ人マジシャンで、カップ&ボ−ルを演じました。動作がオ−バ−なのとカップの扱いがやや粗っぽいのが気になりました。
長谷和幸さん
バラの花をテ−マにしたメンタルマジックで手順は、昨年の天海賞パ−ティ−で演じたものと同じでした。洒落た演出と上品なム−ドは、独特の世界を感じさせます。また、フォ−シングテクニックは完璧に近いものがあります。
佐々木節夫さん
横浜マジカルグル−プ(YMG)からの初めてのチャレンジャ−です。トライアンフやデック・スイッチなど難しいテクニックを使ったカ−ドマジックを演じましたが、コンテストの演目としてはやや適していなかったかも知れません。
前田知洋さん
素晴らしいテクニックと流れるようなリズム感には、いつも感心させられます。ただ、あまりにも場慣れしすぎて、やや感動が薄かったと思ったのは私だけでしょうか。
なお、出演が予定されていた坂井弘幸さんと中尾美政さんは出演を辞退されました。
続いて、ゲストマジシャンによるクロ−スアップショ−です。通訳はおなじみの柳川幸重さんです。
スティ−ブ・コ−ヘン
アメリカの学生マジシャンである彼は若さあふれる楽しいマジックを見せてくれました。クレヨンを使った珍しいトリックとメガネと目の間にカ−ドをはさみ目隠し状態でのカ−ド当てを演じました。
ユ−ジン・バ−ガ−
長いヒゲからシガレットを取り出し、手の中に握ると消えてしまうというユニ−クなオ−プニングです。続いて、紙マッチを使ったカ−ド当て、2枚のジャンボカ−ドによるジグザグトリック、ジプシ−ヤ−ン(千切った糸をまるめると1本の糸に戻ってしまうもの)をスト−リ−をつけながら演じました。前日のレクチャ−は大好評だったようですが、今回の演技はやや退屈な気がしました。
pm7:30〜9:30 大賞発表パ−ティ−
バイキング形式の食事をとりながら、大賞の発表を待っていると、急遽「第5回勝手に選ぶ学生マジシャン日本一」コンテストを行なうことがアナウンスされました。事前に全く情報がなかったため、思わぬ拾い物をした気分になりました。
ショ−が終り、いよいよ以下の通り受賞者が発表されました。
・グランプリ 黒木健一さん
・入賞 前田知洋さん
・厚川昌男賞 前田知洋さん
黒木健一さんのグランプリ受賞には心より拍手を送ります。奇抜なアイデアと独特の表現力が評価されたのだ思います。事実、客席を最も沸かせたのは彼の演技でした。
前田知洋さんは、当日マジックランドのミニミニシアタ−の昨年度ベストマジシャンにも選ばれ、3つの賞を同時に受賞するという快挙でした。若手実力派マジシャンNo.1の地位を不動のものにしたようです。
今後のより一層の活躍が期待されます。
残念ながら入賞はしませんでしたが、個人的には長谷和幸さんの演技は素晴らしいと思いました。バラの花をテ−マに数々の不思議な現象をとてもスマ−トに見せてくれました。
実は、私のグランプリの予想は長谷和幸さんで当日の速報メッセ−ジ(「新年会」旧会議室(1)#310)には長谷さんの名前が当初書かれていました。
こうして、クロ−スアップ大賞パ−ティ−は終りましたが、来年はこれまでのグランプリ受賞者を一堂に会してのチャンピオン大会となる模様です。今から楽しみです。
1990.3.11 スティング(MHB01374)
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Update: 1998/1/17