第4回八王子マジックグループ発表会
「ふしぎな・ふしぎな・140分」日時: 1995年3月19日(日) 13:00〜15:45
会場: 八王子市芸術文化会館いちょうホ−ル(大ホ−ル)
主催:八王子マジックグループ
Update: 1998/1/1
八王子マジックグループは、だるまさんと居眠りP&Aさんが参加されている会ですが、私が発表会を見るのは今回が初めてでした。
この会の特徴は、次のような点にあると思います。
27演目中、女性が19人というのは、他の発表会では見られない構成です。全編を通して、綺麗で華やかな雰囲気が会場を包んでいました。
みなさん、とても場慣れしたステ−ジマナ−で楽しく演じているのが印象的でした。これは、日頃の実演機会の豊富さによるものでしょう。それにしても、昨年のボランティア出演回数が90回というのは驚異的です。
舞台を彩る大小さまざまな道具は、アマチュアらしい手作りの味を醸し出していたと思います。
反面、物足りなく感じた点は、
これは、女性が多く、シルク・花・クス玉等のプロダクション系の演目が多いところからきている気がします。中には、スライハンドでビシッとキメた演技を見たくなるのは、観客としての欲求です。
綺麗で、楽しい演技は、とても素敵なのですが、マジックとしての不思議さがやや弱い印象を受けました。最初に不思議な現象が起こるタイミングが遅いのと、全体の美しい動きに反して、スティ−ルの強引さ、雑さが気になりました。
第1部は、ナレ−ションによる演目紹介、第2部は、パントマイムによるつなぎ、第3部は、司会による進行という趣向はとても良かったと思います。特に、ヤマダ・トウシさんのマイムによる演目紹介はユニ−クで面白かったですね。
ほとんど待たされた印象がなく、とてもスム−ズでした。
ただ、2部の時、パントマイマ−と同じ方向に、演者と進行が引っ込んだ場面がいくつかあったのが気になりました。演技終了後、スポットが司会をあてる時等には、進行はスポットと反対方向から出て、引っ込んだ方が観客に目立たないので良いと思います。
録音状態、ボリュ−ムとも問題なかったと思います。
特に問題ありませんが、イフェクトマシ−ンやミラ−ボ−ルの使用もあったらもっと良かった気がします。また、暗転の時、舞台の両袖から光りが漏れて暗くなりきらなかったのが、少し気になりました。
広い会場のため、舞台上部の空間が広すぎる印象です。看板の位置をもう少し下げるか、上幕を垂らすかした方が良いと思いました。
以下、印象に残った演目についてコメントします。(敬称略)
ビ−トのきいたサウンドに乗って、ウオンドのジャグリング。新趣向でしたが、後半のマジックを期待してしまったので、少し拍子抜けしました。
下田結花さん風の現代的な着物衣装と舞台装飾が舞台に映えました。鏡からの花の出現はユニ−クな演目でした。
お札のプロダクション。時計を付けていましたが、はずした方がよいと思います。目立つのと、タネがなくてもなにか怪しげに見えます。また、BGMの三度笠は、ご本人の好みかもしれませんが、衣装とミスマッチでした。
とても愛嬌のある方ですね。手作りの童話風の小道具がとてもよく出来ていました。
赤頭巾ちゃんをテ−マにしたメルヘンマジック。これも手作りの小道具の味と独創性豊かな作品でした。子供が大喜びしそうなマジックです。
2本筒からのプロダクション。
舞台の使い方、動き、間のとり方、表情など申し分なく、素晴らしい演技でした。
宝石のプロダクション。
上品で美しい身のこなし。笑顔がとても素敵でした。
メリケンハット。
まさに、宝塚のステ−ジを見ているような華麗さ。ステ−ジの使い方も見事です。唯一の難点は、クス玉のスティ−ルの荒さでしょうか。
大トリを飾ったのは、まるでメルヘンの世界から抜け出たような愛らしい乙女。
舞台装飾、衣装、動作、音楽がよく溶け合い、素晴らしかったです。表情の豊かさは、天性のものでしょうか。
だるまさん、お疲れさまでした。次回は、是非だるまさんの演技を見せて下さい。
とても楽しいひとときを過ごさせていただき、ありがとうございました。
1995.3.19 スティング(MHB01374)
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Update: 1998/1/1