第24回鎌倉マジシャンズクラブ発表会
日時:1990年10月14日(日) 1:30〜4:00 PM
会場: 鎌倉市中央公民館
主催:鎌倉マジシャンズクラブ
Update: 1998/1/1
私はこの発表会を見るのは初めてでしたので、期待を持って開演のベルを待ちました。以下に、印象に残った演技についてご紹介しましょう。
* 金沢敏行さん ・・・ ダンシングケ−ン
ケ−ンに意志を持たせ、術者の予期しない動きをさせるなど、演出に工夫が見られました。 中央の私の席からは、問題なかったのですが、照明の関係で左側の客席の人からはジャリが見えたという指摘がありました。(^_^;)
* 鈴木康晋さん ・・・ 紙幣のプロダクション
アタッシュケ−スを持って登場し、その中からテ−ブル出現させ、以降はテ−ブルの上のアタッシュケ−スを捨てカゴに使います。そして、最後はアタッシュケ−スを閉じて退場するといった洒落た演出でした。(^_^)
気になった点は、演じる位置がステ−ジの中央を外していたことです。これは、テ−ブルの方を中央に置いてしまったためで、練習段階のチェックが不足していたものと思われます。(^_^;)
* 賀田五十雄さん ・・・ ミリオンカ−ド
一番気になったのはスチ−ルするカ−ドが、演技の早い段階から客席に丸見えだったことです。普通に立っている時は見えないのですが、ちょっと腕を動かすとチラチラ見えてしまいます。
演技のほうも、まだ練習途中という感じで、これは演目の選択ミスだったようです。(^_^;)(^_^;)
* 野口康二さん ・・・ 壷
衝立の中の壷の消失は、今回のショ−で最も不思議な現象でした。最初に壷を出し、その回りに三つ折の衝立をします。その後、いろいろなものを衝立の中から取りだした後、衝立をたたむと壷は消えています。観客の意表をついた巧妙な手順でした。(^_^)
* 小栗啓三郎さん ・・・ イリュ−ジョン
高価な衣装と高価な道具を使った演劇的マジックでした。(^_^;)アマチュアでここまで、徹底してやる人がいるというのは驚きでした。不思議さはほとんどありませんが、客席を十分沸かせたと言う点では、この会の貴重な存在なのかも知れません。(^_^)
* 長谷和幸さん ・・・ バラのアクト
ニュ−ウエ−ブ・マジシャンの一人の長谷さんがこの会に属しているのは、知りませんでした。私は彼のファンでもあり、注目のステ−ジでした。センタ−のサスペンションライトだけを使い、一輪の白いバラを手でなぜると赤いバラに変わってしまうという現象だけで、ライトが一瞬に消えます。演技時間は30秒ぐらいだったでしょう。
一切の無駄を省き、自分の求めるイメ−ジの世界を表現しようという彼の主張を感じます。(^_^)(^_^)
しかし、もう少し見せて欲しかったなというのが、多くの観客の気持ちだったようです。もう一つ注文をつけるとすれば、照明の色と顔の肌の色の関係をもっと研究して欲しいと思います。
今回の照明では顔が青白くなって見え、少し無気味な感じがしました。もっと肌色のメ−キャップを濃くするか照明の色を変えたほうがよいと思います。
* 中田弘良さん ・・・ メリケンハット
軽快な音楽に乗って、とても楽しいメリケンハットの演技でした。(^_^)
ハットのあらためがなかった点や、スチ−ルの時上着が大きく動いてしまうといった技術的な問題点はあるのですが、この方は、観客を楽しませる術を心得ていると思います。
* 山田征礼さん ・・・ リンキングリング
手順はほぼ、ダイバ−ノンのリングのシンフォニ−と同じでしたが、安定した演技力が光りました。(^_^)
* 古屋忠夫さん ・・・ 色変りのハンカチ
話し方がうまく、おしゃべりマジックのお手本のような方でした。(^_^)
* 高木重朗さん ・・・ ロ−プ切りと袋玉子
前半のロ−プ切りはこの会の講師の三瓶米蔵さんのカラオケをBGMにしたものでした。ところで、カラオケというのは、本人はいい気分かもしれませんが聞く方は苦痛なことが多いものです。いくら、ご愛敬とはいえ、私はこの趣向は気に入りませんでした。
後半の袋玉子は、高木さんの素晴らしい芸でした。(^_^)(^_^)(^_^)
二人の女の子に裏を改めた布の袋を持たせるのですが、玉子が表われたり、消えたりします。
見せ場は女の子に袋の中が空のことを確かめさせた後に、もう一人の女の子におまじないをかけさせると、袋の中から玉子が表われるところです。この間、演者は一切袋に手を触れていません。タネを知っていても本当に不思議です。
また、高木さんの子供の接し方は、見習うべき点が多いと思います。この女の子は、この日のマジックを一生忘れないことでしょう。また、マジックがますます好きになったことでしょう。
* 市川博三さん ・・・ シガレット、ミリオンカ−ド、ハト
落ち着いていて、紳士的なステ−ジマナ−は、豊富なキャリアを持つ市川さんの面目躍如といったところでしょうか。(^_^)
しかし、手順がちょっと長かったのではないでしょうか。
ミリオンカ−ド以降のスチ−ルはかなり無理があり、演技が崩れてしまったようです。お得意のシガレットだけで手順をまとめられた方が印象の強い演技だったような気がします。
* 坂井恒之さん ・・・ 浪曲奇術
ご存じ布目貫一さんの浪曲奇術を演じました。大熱演で客席を大いに沸かせました。相当の練習量だったものと予想されます。
一緒に見に行ったYMGの会員の方に伺うと、今年は例年に比べるとかなりよかったようです。また、初めて見た会員もとても楽しいショ−だったと言っていました。
私個人も、来年も見てみたいと感じさせる発表会でした。(^_^)
1990.10.20 スティング(MHB01374)
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Update: 1998/1/1