ランス・バートン マジックショー
日時:1997年11月18日(火)21:00-22:30
会場: ラスベガス モンテ・カルロホテル ランス・バートンシアター
料金:$39.95(一階席),$34.95(バルコニー二階席)
チケット予約:(800)311-8999 , (702)730-7000
Update: 1998/1/1
ランス・バートンのショーは、毎週火曜日から金曜日まで、19:30と22:30からの一日2回公演が行われています。この日は、21:00からの1回公演でしたが、日本からの事前予約のかいあって、前から2列目という絶好の座席が確保できました。 会場は、1200人収容のランス・バートンシアターで、彼のために作られたマジック専用のシアターです。一階席が800席、二階席が400席という構成で、傾斜型になっているため、どの席でも非常に見やすい印象です。総工費30億円(2700万ドル)を要したというだけあって、ヨーロッパ調の格調高い雰囲気で素晴らしい会場だと思いました。
定刻ちょうどに、ショーが開幕しました。まずは、有名なビバルディの四季のテーマが流れると、ランス・バートンが登場しました。白い手袋を脱いで空中に投げるとハトに変化し、ハトは大きく弧を描いて街灯に止まります。これまで、TVで何度か見たシーンですが、ため息が出るような美しいアクトです。
この後は、マフラーからのキャンドルの出現、新聞紙の復活からハトの出現、タバコ、ミリオンカードからハトの出現といったFISM'82グランプリ受賞のルーティンが続きます。気が付くとステージの足元には霧が包まれ、背景には橋がひろがり、街灯の上には、出現した何羽ものハトがたたずんでいました。
最後に出した一羽のハトは、なぜか飛べず、床に落ちてしまいます。彼は、飛べるようにハトを仕向けるのですが、どうしても飛べません。そこで、彼は悟ったようにハトを空中に投げ上げると、真っ白なシルクに変化し、手に受け取って、ゆっくりと胸ポケットに入れると、客席にニッコリと微笑みます。
ここで、客席から大歓声が湧き起こり、スタンディングオーベイションとなりました。私も身震いするほどの感動を覚えました。特にフィニッシュのハトの空中打ち 消しのシーンは、これまでTVで何度も見ていたはずなのですが、初めてその意味を理解したような気がしました。
彼がFISM'82でグランプリを獲った時、何故ハトが皆、街灯に向かって飛んでいく
んだろうと話題になったそうです。その秘密は、その年のテンヨー大会で山田社長
がこっそり明かしてくれたことを思い出しました。
当時弱冠22歳の彼の演技は、世界中に知れ渡ることになり、私もいつか彼の演技を生で見てみたいと思っていましたが、ついにこの日、その夢が実現しました。
さて、この後の演技は、軽くスケッチする程度に止めましょう。
・トランクから美女が6人出現そして消失
・紙ナプキンから小鳥の出現
・球状のケージに小鳥を入れて、フローティング
・布を使って、ケージの空中浮揚、フィニッシュは銀のテープに変化
・ロボット風の箱に入ると、胴体が消え、美女が出現
・巨大な蓄音機のコーンに女性が入ると消失
・消える鳥かご(ハリー・ブラックストーンJr.風)
・人体浮揚(身体の回りを360度回転)
・巨大なお手玉
・目隠しして、剣のジャグリング
・一輪車
・3本トーチのジャグリング
・ボウリング、トーチ、電動ノコギリのジャグリング
・自動車の出現
・客席から子供を呼んで、自動車に乗せて消失、客席から出現
・卵になるハンカチ(サッカートリック)
・人体交換を裏側から見せるサッカートリック
・アヒルの出現
(以上、演技時間:約1時間30分)
ショーを見終わった後、なんとも爽やかな余韻が残りました。それは、マジックを愛する彼の人間性に直に触れることが出来た感動によるもののように思えました。また、TVショーでは、味わえなかった彼のトークを十分聞けたのも収穫でした。
ちなみに、彼はモンテカルロホテルと13年間の独占出演契約を結んでいます。
ラスベガスを訪れる機会がある人は、是非彼のショーを見ることを強くお勧めします。
1997.11.23 スティング(MHB01374)
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Update: 1998/1/1