関東大学奇術連盟
’98連盟発表会
日時:1998年12月19日(土) 開場18:00 開演18:30 終演20:00
会場:北区赤羽会館
主催:関東大学奇術連盟
入場料:無料
Update: 1999/1/1
個別の大学の発表会は最近はあまり見なくなりましたが、各大学選りすぐりの演者が一挙登場するこの連盟発表会は、ここ数年見続けています。
FMAGIC(NIFTY)からは、チェシャ猫さん、ミリオンさん、だるまさんがご一緒でした。また、テンヨーの開発スタッフの方々も来場されていました。
ヘアースタイル、衣装など今ふうのミュージシャンのような雰囲気。
マジックの方は、あまり不思議さがなく、ポーズにカッコつけている印象ばかりが目立ちました。
ファッション雑誌から抜け出したような素敵な衣装とスタイルの良さがステージに映えました。
ケーンの動きは、やや単調で、上体がしなやかに動くともっと良くなるでしょう。
「ケーンが浮くまでの部分の演技をもっと研究して欲しい」というのは、阪大OBのF氏の弁。
オリジナリティ溢れる手順と楽しい雰囲気は、奇術愛好家の間でも評価の高かった演技でした。
曲に合わせてステップを踏む動きも良いのですが、もっとオーバーに表現した方が良かったと思います。
レストランでの客とレジ係とのかけあいの中で行われるコミカルなアクト。「オリーブの首飾り」の曲が流れ、照明が変わると突然シリアスなムードでコインの演技が始まる。一応笑わせてくれるが、もう一工夫欲しい気分。また、サラリーマン風の服装と金貨の取り合わせは、なんともアンバランス。金貨を使うのなら、西部の酒場でカーボーイ・スタイルが合っている。
筑波大学の演者を見る機会がほとんどない私にとって、とても新鮮な印象。テンポの良さとメリハリの効いたアピールは、好感が持てます。また、洒落たマジックテーブルも気に入りました。手順もシンブルやフラワーを組み合わせたオリジナリティを感じさせるものでした。
若い頃のデビッド・カッパーフィールドを思わせるような雰囲気を持つ演者。自信たっぷりなステージマナーは個性的ですが、少し乱暴で力が入りすぎているところが気になりました。胸のネタグレに注意。
安心して見られるジャグリング。衣装も二人のかけあいも良かったです。3ボールの部分をもっと短くした方がすっきりしたと思います。
笑顔が印象的なフラワーの演技でした。
挨拶の後、司会者になってしまうというギャグに苦笑。
アタッシュケースを持っての登場から退場するまで、一連のストーリーを感じさせるアクトでした。シルクに引っ張られる部分の演技と袖にシルクが飛んでいくフィニッシュが特に良かったです。
最初に使ったシルバーの玉は、客席からは見にくかったです。照明・音楽・衣装・ポーズに凝るより、まずシンプルな現象の不思議さを追究して欲しいと感じました。テクニックは優れていたと思います。
シンブルにしては、全体的に重過ぎる印象。最後の演技と曲が一致していたところは良かったと思います。
最近では、珍しくなった学生の和妻の演技。巨大な扇子と傘が何と言っても圧巻でした。これからも伝統を引き継いでいって欲しいと思います。
一応、無難にこなした思いますが、男性の方が少し浮き気味な印象。話の内容に、出演者の裏話とか各大学クラブのプロフィールとかを織り交ぜるともっとショーが盛り上がると思います。
関東の11大学12クラブが共同で開催する発表会というのは、奇術愛好家にとって、とても魅惑的なイベントです。今年はどんな新しい学生マジシャンに出会えるんだろう、各大学のマジックの傾向はどう変化しているか、など興味は尽きません。
さて、今年の発表会はどうだったでしょうか。ずば抜けて光っていた演者は見当たりませんでしたが、印象に残ったのは、リング(千葉)、ウォンド(筑波)、ダンシングシルク(慶應)、和傘(東大)でした。やはり、工夫の跡がみられる演技というのは、誰が見ても面白いものです。
ところで、今回の陰のヒットは、プログラムと一緒に配られた「連盟会報」でしょう。連盟発表会演者の選出方法、出演者の紹介、「学生マジック界はどこに向かおうとしているのか」といった小論など、とても興味深い内容でした。また、メーリングリストやホームページの開設など新しいメディアの活用にも、いよいよ目が向き始めてきたようです。今後、各大学に閉じた活動にとどまらず、幅広いOBを巻き込んだ「マジック愛好者の場」として発展していくことを期待しています。
1999.1.1 スティング (MHB01374)
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Update: 1999/1/1