スティングのマジック玉手箱

「マジックキャッスル」問題特集

Update: 2004/9/11


はじめに

マジックキャッスルの将来に関して、米国奇術界が揺れています。

2004年2月2日、マジックメーリングリストにおいて、田代茂氏(JCMA代表)より、マジックキャッスルの運営をしている「アカデミー・オブ・マジカル・アーツ」の代表者、Dale Hindman氏からメンバーに宛てた手紙が紹介されました。

その内容は、「マジックキャッスルの持ち主であるグローバー家がキャッスル・パートナーという会社をつくり、この会社がアカデミー・オブ・マジカル・アーツに対しマジックキャッスルを賃貸することになり、マジックキャッスルが閉鎖される可能性がある」という衝撃的なものでした。

40年の歴史を持ち、常に世界のマジシャンから注目を集めていたマジックキャッスルはマジックの殿堂と称されてきました。これは、アカデミー・オブ・マジカル・アーツが決定するマジシャン・オブ・ザ・イヤーの歴代受賞者の顔ぶれを見ればよく分かります。

この問題に関しては、マジック専門誌 Ginii が運営する The Ginii Forum では今も議論が続いています。そこで、これまでに分かった情報をみなさんにお伝えするとともに、この問題をみなさんと一緒に考えていきたいと思います。

2004年3月1日 中村 安夫 E-mail : sting.nakamura@nifty.com


1. マジックキャッスル問題とは (2004/9/11) 

2. リチャード・カウフマン氏による独占インタビュー (2004/2/7) 


1. マジックキャッスル問題とは (2004/9/11) 

2004年1月中旬にラスベガスで開催された世界マジックセミナー (World Magic Seminar) で、 「マジックキャッスルの持ち主であるグローバー家が、従来のミルト・ラーセン (Milt Larsen) 氏に新しいリース契約を結ばないことを決定し、マジックキャッスルが閉鎖される」という噂が流れた。

この噂は、 The Ginii Forum で1月20日から始まった「注意マジック・キャッスルメンバー (Attention Magic Castle Members) 」に飛び火し、当事者が投稿することにより、次々に新しい事実が明らかになっていった。

2004年2月8日、オンラインマジックニュースサイト Inside Magic 誌は、「マジックキャッスルの将来は不明瞭 (The Magic Castle’s Future is Unclear)」と題して、この問題を報じた。

2004年2月25日、The New York Sun 誌は、「ロスアンゼルスのマジックキャッスルは、消失トリックをするかもしれない (L.A.’s Magic Castle May Pull a Disappearing Trick) 」という記事を掲載した。

2004年3月1日、The Ginii Forum のマジックキャッスル問題に関する投稿数が過去最高の359に達し、管理人のリチャード・カウフマン氏が投稿凍結宣言を出した。

2004年5月1日、2003年度のMagician of the Year授賞式がハリウッドのHenry Fonda Music Box Theaterで開催された。受賞者は下記の通り。

Close-up Magician of the Year 2003 - Whit Haydn

Parlour Magician of the Year 2003 - Dana Daniels

Stage Magician of the Year 2003 - Kevin James

Lecturer of the Year 2003 - Aldo Colombini

Comedy Magician of the Year 2003 - Dana Daniels

Magician of the Year 2003 - Mac King

2004年5月11日、リチャード・カウフマン氏がThe Ginii Forumでマジックキャッスル問題が進展したことを報告した。

カウフマン氏によると、ミルト・ラーセン (Milt Larsen)氏とThe Academy of Magical Arts(AMA)とグローバー家は、新しいリース契約に合意したという。これによってマジックキャッスルが移転するという事態は回避された。

なお、対立していたキャッスルパートナー社 (Castle Partners)に関する情報は伝えられていない。

2. リチャード・カウフマン氏による独占インタビュー

マジック専門誌 Ginii の編集長、リチャード・カウフマン (Richard Kaufman)氏は、渦中の人物である ミルト・ラーセン (Milt Larsen)氏、デール・ヒンドマン(Dale Hindman)氏、ダイアナ・ジマーマン(Diana Zimmerman)氏、トム・グローバー (Tom Glover) 氏に電話インタビューを行った。Ginii 3月号に掲載予定だったこの内容は、The Ginii Forumの管理人でもあるリチャード・カウフマン氏に早期公開を決断させた。以下の内容は、2月7日に投稿された内容の要旨である。


ダイアナ・ジマーマン氏とのインタビュー

デール・ヒンドマン氏(AMA代表)とのインタビュー

ミルト・ラーセン氏とのインタビュー  

トム・グローバー氏(マジックキャッスル所有者)とのインタビュー


Q. キャッスルパートナー社 (Castle Partners, LLC)の構成メンバーは?
A. トム・グローバー(Tom Glover)氏、アンディー・ウロア(Andy Ulloa)氏(グローバー氏の養子)、 ピーター・レビーン(Peter Reveen)氏(ランス・バートン師のマネージャー)、マイケル・フリント(Michael Flint)氏、ボブ・ロッシ(Bob Rossi)氏、ビル・ローズ(Bill Rose)氏(弁護士)、ダイアナ・ジマーマン( Diana Zimmerman)の7名です。
Q. キャッスルパートナー社は、いつ結成されましたか?
A. 公式には2004年1月2日ですが、2003年夏以来、グローバー家とは交渉していました。
Q. なぜ、対立的な乗っ取り“hostile takeover”という言葉が使われたのでしょうか?
A. 私たちは、The Academy of Magical Arts(AMA)を乗っ取ろうとはしていません。グローバー家は、ミルト・ラーセン氏ではなく、キャッスルパートナー社が家屋敷の借地人になるだろうと決定しました。キャッスルパートナー社は、マジックキャッスルでクラブを継続するためにAMAと契約を結ぶでしょう。私たちは、ミルト・ラーセン氏とAMAと一緒に活動するように頼みました。
Q. The Academy of Magical Arts(AMA)は、これからどうなるのでしょうか?
A. 具体的な内容は、まだ交渉中ですが、AMAは、食事・飲料サービスにはもはや責任を持たなくなり、図書館、賞、講義、教育などの活動に専念することになるでしょう。キャッスルパートナー社は、AMAを運営するつもりはありません。AMAは素晴らしいマジック団体であり、デール・ヒンドマン氏はAMAの役員会会長として素晴らしい仕事をしました。キャッスルパートナー社は、AMAおよびAMA役員会に関して何も変更するつもりはありません。
Q. 交渉はどのくらい続くのですか?
A. グローバー家は、話し合いが誠実に行われている限り、継続するだろうと言っています。この間、マジックキャッスルは、40年間続いたように運営されるでしょう。これまでに、キャッスルパートナー社の7名全員と、ミルト・ラーセン氏、Arlene Larsen氏(ミルト氏の会社の副社長)、デール・ヒンドマン氏(AMA代表)、Lew Horwitz氏(AMA会計係)との話し合いが2度持たれました。
Q. 最後に、キャッスルパートナー社に対して、不安を感じている人たちへのメッセージは?
A. 私たちは、マジックキャッスルが本当に魔法の場所であり、The Academy of Magical Arts(AMA)が素晴らしい団体であると思っています。私たちは、少なくともさらに40年間、ミルト・ラーセン氏とAMAを継続し、よりよく強くしたい。クラブの全盛期は会員は7000人以上いましたが、現在は4000人未満になっています。私たちは、このクラブを再生し、もう一度マジシャンにとって世界最高の場所に復活させたい。私たちは、出演者が誇りと尊厳の感覚で扱われることを望みます。私たちは、手頃の値段で食事および飲料サービスの質を改善したい。私たちはまたアイリーン・ラーセン (Irene Larsen)氏が、彼女の夫ビル・ラーセン2世 (Bill Larsen, Jr.)が亡くなった時に失ったものを正当に回復されることを望みます。私たちは強い基盤を作り、将来の世代がこの驚くべきクラブを楽しむことができることを保証します。
Q. ダイアナ・ジマーマン氏のコメントの感想は?
A. 彼女のインタビューにはいくつか当惑させられる点がありました。マジックキャッスルには現在3700〜3800人の会費を支払う会員と1100人の終身会員がいます。私は、彼女がどこからデータを得たのかは知りません。
Q. その他のコメントは?
A. The Academy of Magical Arts(AMA)の財政面に関しては、昨年12月の収益は過去最高のものでした。
Q. AMAは非営利団体なのでは?
A. いいえ。AMAは非営利の相互利益株式会社です。政府公認の非営利団体(501C3)ではありません。そして、2003年の収入は税金を払わなければならないほど良好でした。
Q. それでは、税金の状況は決して変わっていないのですね。
A. その通りです。同時多発テロの9.11以降、多くの会社と同様に過去数年、厳しい年を経験しましたが、私たちは蓄えを賢明に使用し、調子がよいのです。私たちが破産寸前だというのは正しくありません。
Q. あなたは、ミルト・ラーセン氏ではなく、キャッスルパートナー社がマジックキャッスルの借地人になることに気づいていましたか?
A. いいえ、私は驚きました。ミルト氏と私は1月6日にこのことを通知する手紙を受け取りました。私たちは、その直後に彼らとの最初の会合を持ちました。
Q. あなたは、グローバー家がキャッスルパートナー社を借地人に決めた理由を知っていますか?
A. すべては分からないが、彼らは長期間、単一の実体(つまりミルト氏)にリースしていることに関係していると言っています。
Q. ダイアナ氏のインタビューで、彼女はAMAの任務から、食事・飲料サービスを取り除きたいと言っていますが。
A. 食事・飲料サービスをなくしてしまったら、誰が予約の責任を持つのでしょうか。AMAですか、キャッスルパートナー社ですか。管理人が賃貸している人々の事業を営む方法を伝えようとしていることは非常に奇妙に見えます。
Q. あなたは、3回目の会合を持ちましたか?
A. まだです。私たちは、多くの問題について質問をまとめているところです。交渉は進行中です。
Q. AMAが新しい場所に移転するかどうかは誰が決定するのですか?
A. そのプロセスについては、相談中です。何人かの人たちは、役員会が決定すべきであると思っていますが、会員が投票すべきであると思っている人もいます。
Q. ロスアンゼルスでこのようなマジッククラブが二つも存在すると思いますか
A. 私は、もしミルト氏とAMAが建物から出て行った場合、グローバー家とキャッスルパートナー社がどのような計画を持っているのか知りません。私たちが過去数週間に決定したことは、私たちは多くの支援を得ているということです。
Q. 彼らと次の会合の予定がありますか?
A. AMAは2月5日に役員会を開きます。それから、私とLew Horwitz氏(AMA会計係)は補足資料を作成するために会う約束をしています。実際に、ミルト氏とAMAの二つの団体がグローバー家とキャッスルパートナー社と交渉しています。
Q. AMAとミルト・ラーセン氏が異なる決定をする可能性はありますか?
A. はい、その可能性はあります。AMAはキャッスルパートナー社との契約条件に同意するかもしれませんし、ミルト氏は同意しないかもしれません。
Q. 障害の一つはショーの予約に関する問題よりも食事や飲み物に関する問題の方が少ないように思えますが?
A. 長期間働いている従業員がいます。グローバー家とキャッスルパートナー社がこの問題を改善したいのならば、誰かが従業員の異動に関して管理する必要があります。ショーの運営に関して、ミルト氏と私は別の運営主体に引き継ぐことを考えていますが、詳細についてはまだ議論を行っています。
Q. 現在の建物には収容人員の問題があるという意見についてどう思いますか?
A. 収容人員の問題はあります。部屋の座席数は、ショーあたり129人です。私たちはショーごとに出演者のゲスト用に4つの座席を確保しています。従って、残された座席数は125です。誰もが毎晩入場できるわけではありません。特に週末の金曜日と土曜日は混雑しています。
Q. ショーを見るためには夕食をとらなければならないという問題についてはどう思いますか?
A. 私たちは少なくとも10年間、夕食付のショーチケットを販売してきました。もし私たちが座席数を増やすために毎晩の食事の数を減らすならば、主人にとって収入の減少をもたらすでしょう。
Q. グローバー家は、今回のリース更新問題は金銭問題ではないと主張していますが?
A. 私は、いかなる主人も現在受け取るより少ない金銭を得たいかどうか疑います。あなたが夕食に50ドルを払えば、あなたは少なくとも1つのショーを見たいと思うことができます。もっとお金を払えば、あなたは少なくとも3人のマジシャンを見ることができるべきです。私は、「食事の料金は少し高いが、マジックキャッスルに対して、補助金を払う必要がある」と会員に言ったことがあります。その料金は食事やショーだけのものではありません。私たちは家主に1平方フィート当たり1ドル未満を支払っています。それはダウンタウンのハリウッドに対しては低い金額です。私は、彼らのお金(例えば賃貸料)が長期間据え置きであり、その変更が必要であると彼らが考えていると思います。
Q. しかし、今の時点ですべては開かれており、それは通常通りのビジネスです。
A. もちろんです。私は、近い将来の変化を何も考えないわけではありません。
Q. 受賞パーティー (Awards Banquet) は予定通りに開催されますか?
A. はい、私は今すべての契約にサインする過程にいます。それは素晴らしいショーであるべきです。この問題がどうなるかは関係ありません。AMAとマジックキャッスルは同一ではありません。AMAとミルト氏が新しい場所に移動するか留まるかに関わらず、受賞パーティーはよりよいものになるでしょう。
Q. マジックキャッスルの新しいリース契約のためにグローバー家と約2年半の間、交渉しましたか?
A. 前回のリース契約は2度の1年延長の末、2003年12月31日に終了しました。
Q. 新しいリース契約になぜ合意できなかったのか要点を教えてください。
A. 以前の状況は、私がグローバー家とマスターリース契約をし、AMAに転貸するというものでした。そのリースでは、私がキャッスルの創造的な部分を世話しました。また、AMAは、そのビジネス側を実行しました。ある時点でグローバー家は私との長期リース契約を渋りました。それは私がなかば引退の年齢72歳になっていたからです。彼らのビジネスの視点からは20年リース契約はよい考えではありませんでした。そこで私はグローバー家が直接AMAとリース契約を結ぶように提案しました。

しかし、グローバー家は、AMAの役員会のメンバーはビジネスマンではなくマジシャンであると感じていました。その点について、私は疑問を持っています。なぜならば、Lew Horwitz氏(AMA会計係)は町で最も尊重された金融フィルム銀行家の一人であり、デール・ヒンドマン氏(AMA代表)はさらに銀行業務の経験を持っているからです。グローバー家は、マジックキャッスルの経営者はもっとビジネス志向を持つべきだと考えていました。本質的に、その考えが主要な問題です。アンディー氏(グローバー氏の養子)はマジックキャッスルの上の丘にある山城のレストランで食品および飲料を担当していましたが、キャッスルでもよい仕事ができると考えていました。

私の立場は、グローバー家は建物の主人であるべきであり、私たちはその建物の中で事業を営むことができるべきということです。

Q. キャッスルパートナー社は7人で構成されていますが、そのうち2人は、トム・グローバー(Tom Glover)氏、アンディー・ウロア(Andy Ulloa)氏(グローバー氏の養子)です。
A. それが意味することは、グローバー家が彼ら自身および彼らのパートナーにマジックキャッスルを賃貸しているということです。昨年の12月に私たちは40万ドルの食事・飲料収入を得ました。彼らはキャッスルの食事・飲物・ショーのコントロールをしたいと望んでいます。AMAは彼らがクラブで行うことに対して何の権限を持たないでしょう。私は、それは全く承諾できないことです。
Q. 現在、最も主要な障害は何ですか?
A. 最も大きな問題の一つは、キャッスルパートナー社が事業計画の詳細を私たちに示していないことです。私が理解できないのは、AMAが何故クラブを運営できないかという点です。彼らは困難な状況の中でとてもよくやっていました。しかし、AMAはクラブであり、商業的なバー・レストラン・ナイトクラブではありません。クラブ全体はマジックへの愛情に基づいています。商業的な場所であるウィザード(Wizards)やマジックアイランド( Magic Island)は廃業しましたが、マジックキャッスルはマジシャンたちの愛情とビル、アイリーン、そして私が注ぐ愛情によって成功しました。
Q. 場所を移動することに関して議論があったようですが?
A. 二つの選択肢があります。一つはAMAがキャッスルパートナー社が運営する建物に留まることです。その場合、そこはマジックキャッスルとは呼ばれないかもしれません。もう一つの選択肢は、マジックキャッスルとAMAが新しい場所に移動することです。私たちがキャッスルとともに持っている問題の一つは私たちが容量に達したということです。ある意味では私たちはキャッスルより大きくなっています。私たちは宮殿の上に新しい設備を加えることが出来ました。私たちは駐車場として使っている既存の建物の上に新しい宮殿を造ることが出来ました。より多くのキッチン設備を造る余地もありますが、これはキャッスルパートナー社が明らかに望んでいることの一つです。私の唯一の質問は、もしグローバー家がその種の取引を望んだならば、何故私のところに来ないかということです。
Q. AMAがキャッスルパートナー社とともにキャッスルに留まり、あなたがどこかほかに行くか、または引退するという可能性はありますか?
A. 私にとっては引退するという選択肢はありません。AMAが私と別れて留まるかどうかはメンバーの考え次第です。AMAがキャッスルパートナー社とともにキャッスルに留まるか、私と一緒に別の場所に移るかどうかはメンバーの投票によって決めることになるでしょう。
Q. 別の場所に移るというのは大仕事だと思いますが?
A. それは移る場所にもよります。私は二つの場所を想定しています。その一つは巨大で空想的であり、もう一つは時間とともに開発されてオリジナルのキャッスルのように大きくなるでしょう。私は現実に、キャッスルが起こるかもしれないハリウッドの異なる4つの場所と話しました。
Q. ロスアンゼルスに二つの類似のマジッククラブが存在するとは思いません。もし、あなたたちがマジックキャッスルを新しい場所に移せば、二つの場所は数年のうちに苦しくなり廃業してしまうかもしれないという可能性に、あたなたちはよく知っていると思いますが?
A. あなたは絶対的に正しいと思います。しかし、問題は誰がゲームで最も多くの大理石彫刻品を持っているかです。私は、もし私たちが名前とメンバーを持っており、キャッスルよりもよい設備を持っていたならば、そこには何の問題もないと思います。私は、“The Magic Castle”という名前とAMAの会員は大きな強みだと本当に思います。もし、AMAがキャッスルパートナー社とともにキャッスルに留まるのならば、私が新しいクラブを始めるのは困難であり、私はそんなことはしないでしょう。彼らは私が持っているキャッスルという名前と備品を維持したいでしょう。もし、彼らが正しい提案をするならばそれは可能です。彼らはまだそのような提案をしていません。しかし、それはあなたが現在知っているようなキャッスルではないでしょう。私たちの仕事の多くはマジックキャッスルを愛するボランティアによって成り立っています。
Q. キャッスルパートナー社があなたにキャッスルに残ってもらうために給料と優先株式の提供を申し出たというのは本当ですか?
A. 現在、私たちはそのような提案を待っています。あるとき、グローバー家は私に協力を求めました。グローバー家が過去数十年以上言ってきたことのすべては、彼らはキャッスルを愛し、永久にとどまって欲しいということです。しかし、本当は彼らはクラブをコントロールしたいのです。それはお金の問題ではなく、コントロールの問題です。私の意見では、もしバーとレストランの管理がキャッスルパートナー社の完全なコントロール下におかれれば、クラブは苦しむでしょう。
Q. あなたはキャッスルパートナー社があなたが所有している「マジックキャッスルキャッスル」という商標を使うのを妨げるために裁判所に行きますか?
A. 第一に、誰も裁判所で決着をつけることを望みません。それは私たちにとって最後の手段です。しかし、裁判所が決めることはあまりないでしょう。何故ならば、その商標はステージショー、エンターテインメント、レストラン、衣類に対して登録されていますので、「マジックキャッスルキャッスル」という名前を誰も勝手に使用できないからです。不正競争防止法と呼ばれるものもあります。商標(名前)は建物を越えるものです。私はグローバー家にマジックキャッスルに隣接するホテルに対して “The Magic Castle” の名前の使用権を与えました。私はいかなる法的な決定も、この名前の使用に対してはかなり明らかだろうと思います。グローバー家は、私かAMAのいずれに対しても直接、建物を貸さないという決定をしましたが、私は彼らに対して、詳細な提案をするように求めてきました。もし、私たちがその提案を好まないならば、私たちはどこかほかの場所に移ることができます。ダイアナ氏が言ったことの一つは、私が留まるだろうということですが、それは起こり得ないことです。私は挑戦が好きですが、今回の事は私の人生で最も大きな挑戦の一つです。徹底的にやります。
Q. あなたはキャッスルパートナー社と新しい話し合いの予定はありますか?
A. 私は彼らは今から総会までの間に話し合いの日程を設定しようとしていると思います。トム・グローバー氏は自分たちはクラブを救済しようとしているとあなたに言うでしょうが、率直に言って、私たちは救済を必要としていません。
Q. 約2年半の間の交渉の後、ミルト・ラーセン氏と新しいリース契約に合意できなかったのですか?
A. 私たちは数年前に話し始めました。また、主人(それは現実に私の家族のメンバーから成るマジック・キャッスルパーク(Magic Castle Park:MCP)と呼ばれるLLCである)にとって重要ないくつかの問題がありました。MCPがより長期的なリースを始める前に、これらの問題を解決する必要がありました。

最初の問題は、ミルト・ラーセン氏とのリース契約は、2000年12月に終了しますが、マジック・キャッスルパーク(Magic Castle Park)は、その後は任意の個人ではなく、長期的に継続する実体にリースする必要があると考えているということでした。

第2の問題は、マジック・キャッスルの運営が少しうまくいっていないということでした。私たちがキャッスルを再生するための変更を加える問題を持ち出した場合は常に、AMAの役員会によって妨害されるように見えました。役員会の何人かは長年いましたが、キャッスルを再生する必要性を理解していないように見えました。

会員は減っていましたし、キャッスルの活動も停滞していました。また、マジック・キャッスルパーク(Magic Castle Park)は、マジシャンの手から管理を取り出すことによりマジック・キャッスルビジネスの再生を保証することが重要であると思いました。

役員会はマジシャンから構成されますが、AMAはマジシャンではない多くの会員を持っています。AMAの規約では、マジシャンだけが投票することができ、また、マジシャンだけが役員になることができます。彼らの主要な興味はマジックです。また、私たちはそれを100%を支援します。
しかし、食事と飲料サービスの運営には、その分野の専門家を必要とします。
私たちは、あらゆる方法でそれらを支援する申し出を持って、ミルト氏と話し合いました。ミルト氏は、理解しましたが、キャッスルはうまくいっていると思っていました。

Q. あなたは、ミルト氏がキャッスルは再生する必要はないという意見に対して、どのように反応しましたか? ミルト氏はその根拠として、2003年12月には、食事と飲料サービスの収益が過去最高であり、あなたにも最高額を支払ったことを挙げています。
A. ミルト氏自身の承認によって、最近の3か月の状況がよいという理由は、私たちが変更するために本質的に彼らに圧力を加えたからです。事態が2003年8月以来よりよいという事実は変更の知恵の証拠です。
Q. どんな種類の変更ですか?
A. 食事とサービスの多くの変化は非常に肯定的でした。しかし、まだ十分ではありません。食事と飲料に関して、特に食事とサービスの質については、まだ多くの問題があります。
Q. ミルト氏は現在の会員数は5000人であり、減っていないと言っています。
A. AMA会計係Lew Horwitz氏の昨年度の報告書によると、会員数は3500人でした。
Q. 3500人というのは会費を納入している人の数であり、残りは終身会員です。
A. 会員数というのは本質的な問題ではありません。もっと重要なことはキャッスルに行った人たちの最も一般的な感想は、「面白い体験をしたけれども、食事やサービスが普通で、施設が老朽化しているので、また行こうとは思わない」というものです。金銭の問題は、私たちの主要な関心事ではありませんでした。私の父親が40年前にミルト氏と握手して以来、そこの賃貸料は同じパーセンテージ方式のままでした。私たちはキャッスルが将来にわたって長く存続することに関心を持っています。
Q. あなたは、今後どうするつもりですか? もしキャッスルパートナー社がミルト・ラーセン氏とAMAに合意し、マジックキャッスルでよりよいビジネスが出来れば、あなたの勝ちです。しかし、もしミルト・ラーセン氏とAMAがキャッスルを出て、ハリウッドの新しい場所に新しいマジックキャッスルを開くことになったらどうでしょうか。
A. 私たちは、キャッスルは現在の場所に残って欲しいし、ミルト氏にも残って欲しいし、AMAにこの家を維持して欲しいと思っています。私たちは、マジック・キャッスルを存続させなければなりません。もしミルト氏とAMAが去ることを決定すれば、それは恥であり、とても不幸なことです。マジックキャッスルを存続させることは、ウィリアム・ラーセン氏、ミルト氏、ビル氏、アイリーン氏に続く将来の世代の夢を完成させることです。
Q. もしミルト・ラーセン氏とAMAがほかの場所に移った場合、実際にキャッスルパートナー社は新しいマジックのテーマクラブを開くのでしょうか?
A. それが彼らの意図だと考えています。
Q. そしてキャッスルパートナー社は既にキャッスルのリースを受けています。
A. 現在はリースはありません。
Q. マジックキャッスルのショーの予約についてはどうですか? キャッスルパートナー社は、食事と飲料に加えてショーの運営も担当したいのですか?
A. ミルト氏とデール氏によるショーの運営に対して、会員とゲストから多くの批判がありました。彼らは、その点について変更が必要なことを理解しました。デール氏は変更に対する責任をとり、私たちはそれによって非常に励まされました。キャッスルパートナー社はショーの運営を改善したいと考えており、そのための協力は惜しみません。しかし、ミルト氏とデール氏を含めて、私たちが過去のままでいることは承諾できません。私の関心は、食事と飲料の改善に留まりません。マジックキャッスルとAMAの長期会員を含むキャッスルパートナー社の他のメンバーはシューの改善を望んでいます。それから、AMAはマジックのプロモーションとパフォーマンスに専念できます。私たちは会員とゲストが遠方から訪れたくなるような素晴らしい食事を望んでいます。私たちはかつてのようにキャッスルが賑わい、刺激的な場所になってほしいと思っています。私たちは、マジックキャッスルの丘の上のレストラン「山城」でこれを実行しています。過去数年の間に私たちはビジネスを約2倍にしました。
Q. あるマジックキャッスルの会員は、Genii フォーラムに次のように書き込みました。

「AMAは以前、食事と飲料による収入の一部として賃貸料を支払っていました。再び、現在の交渉に従って、AMAの会費はキャッスルパートナー社への賃貸料の支払いの唯一の方法になるでしょう。」

その意見によると、AMAは収入なしで賃貸料を支払わなければならないように見えます。それは本当ですか?

A. いいえ。現在は主人であるマジックキャッスルパークがマジックキャッスルをミルト・ラーセン氏に賃貸し、ミルト氏がAMAに転貸するという構造です。新しい提案は、マジックキャッスルパークがキャッスルパートナー社に賃貸するというものです。キャッスルパートナー社は食事と飲料の割合に基づいて、マジックキャッスルパークに賃貸料を支払います。AMAの賃貸料は、もはや食事と飲料の割合に基づいたものではありません。それはAMAが食事と飲料を管理しないからです。AMAは、クラブハウスとして建物を使用するための固定賃貸料を支払うことになります。過去においては、AMAは食事と飲料収入の12%をミルト・ラーセン氏に支払い、ミルト氏はマジックキャッスルパークにその7%を支払っていました。AMAの賃貸料はマジックキャッスルパークではなくミルト氏によって管理されていました。
Q. 私がインターネットで読んだAMAの会員の意見に次のようなものがありました。

「キャッスルは現在、スペース不足の問題があり、これを解決するために場所を移動するのは良い考えだ。しかし、ミルト氏はスペースを増やすために改築する考えを持っている。」

あなたは、キャッスルの改築を支援するでしょうか?

A. 私たちは、この考えを理解します。私はミルト氏とこの問題を話し合いました。私たちはマジックキャッスルを改善する施策については検討します。しかし、変化と再生が必要です。

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Update: 2004/9/11


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