「マジック種明かし番組」問題

ブラジルにおけるMasked Magician追放事例

Update: 2001/6/3


はじめに

以下の内容は、World Alliance of Magicians(WAM)のホームページで紹介されているブラジルにおけるMasked Magician追放事例です。

WAMニュース(1999年9月)

ブラジルのマジシャンたちは悪名高い「Mr.M」ことマスクド・マジシャン(ヴァレンチノ)が1999年8月初旬にツアーを行って以来対決姿勢を見せている。

ブラジルのジャーナリストによると、マスクドマジシャンのショウの出来はプロとは呼べず、チケットの代金に見あうものではないとのこと。マスクド・マジシャンのショウは結果的にそれほど一般にうけず、チケット代金は最後には5USドル程度まで下がってしまった。

9月5日(日曜)を迎えた時点で、マスクドマジシャンは拘留され、取り調べをうけることになった。そしてその後、ブラジル連邦警察によって国外へ退去させられたのだった。

WAM会長アッブ・ディクソン氏の声明(1999年9月)

この1件は、新たな「ネタばらしに対する勝利」でした。我々の支部長、ブラジルのロッシーニ氏はブラジルと南米のマジシャンたちを非常にうまくとりまとめ、奇術界の政治的勢力と共にヴァレンチノを追放することに成功した。南米支部長のロッシーニ氏に一緒にお祝いの言葉を送りましょう。

私は奇術雑誌にこのメッセージのコピーを送ろうと思います。それによって彼らはロッシーニ氏と直接、気軽にコンタクトすることができるのではないでしょうか。

ある奇術雑誌に最近載ったインタビューで記者がWAMは「意味ありげな静かさを保っている」と発言していたが、これでやっと、なぜ静かだったのかがわかってもらえたと思う。

WAMは今後も世界中で活動を続け、ネタばらしやマジックを害する者たちと戦っていく。
IBMがバッファローで開催する大会でWAMの年間報告をIBMの理事会に行う予定だが、私はWAMが今後も「戦うべきを戦う」という姿勢を貫くことを誇らしく告げることだろう。

アッブ・ディクソン(ABB DICKSON)
International President, World Alliance of Magicians

WAM会長アッブ・ディクソン氏の声明(2000年5月)

WAMのInternational President へ

我々はまたも勝利した!

ヴァレンチノのマネージャーは敗訴し、我々の弁護士費用と訴訟費用も負担することになった。

Mr.Mの最初のブラジル来訪時にそのマネージャーたち(Maccjor Emprendimentos andPromotions)は2件の損害についてブラジル奇術家協会(Magicians from Brazil)を提訴した。2000年5月15日にポルト・アレグレ市のオーヤマ・アシス・ブラシル・デ・モラエス判事は判決文No.95及びNo.96/2000の中で我々の弁護団のすばらしい弁護を受け入れたのだった。

(判決文謄本)

「列席の諸氏に受的不法行為及び実行性の欠如を認め、CPCVI条267項により、MccjorEmprendimentos及びPromotionsLTDAのブラジルマジシャン協会に対する告訴を棄却し、ブラジルマジシャン協会を"FANTASTIC"ショウの被害者と認定する。

有罪と認められる者は被起訴者に対し2件の告訴に関する費用と被起訴者の弁護費用を負担し・・・」

オーヤマ・アシス・ブラシル・デ・モラエス判事

WAM南米支部長ロッシーニ氏の声明(2000年5月)

我々マジシャンたちは正義の為に今後も戦いを続ける。奇術を破壊する悪人たちが罰せられ、ヴァレンチノがブラジルに二度とこないよう当局とも協力していく。

奇術の秘密の暴露という行為は正義の名の元にさらされるべき問題であり、じきに法的な根拠もかためていくつもりである。また、昨年のGloboTVのようにマジックの秘密を繰り返し暴露するようなテレビ局には新たな訴訟を起こすつもりである。

ブラジル連邦警察と国税局に対し公式な助勢を行い、ヴァレンチノのマネージャーを脱税、違法契約、ブラジルでの不法就労及び我々マジシャンへの背信行為で告発することも検討している。進展が有り次第逐次報告する。

これからもマジックへの愛のため、がんばって下さい。暴力なしというのは素晴らしい。
これはマジックにおける新しい勝利です。

ロッシーニ(ROSSINI.)


出典:http://www.magiciansalliance.com/wamnews.html

翻訳協力:小谷 純司氏


btBack.gif (2191 バイト)


Copyright © 1998-2001 Yasuo Nakamura and Junji Kotani. All rights reserved.
Update: 2001/6/3