Update: 2001/5/31
次にご紹介するのは、プロマジシャン、藤山新太郎師のご意見です。氏はSAMジャパンの機関誌「M・U・M JAPAN」のNo.12('95.8)からNo.15('96.4)の中の「現代奇術論11〜15」において5回に渡って「種明かし問題」を論じています。
プロマジシャンの立場からの精緻な論理展開は、大変興味深いものです。氏の意見は、さまざまな論点を含む詳細なもので、簡単にご紹介するのは困難ですが、結論と思われる部分を引用させていただきます。
「初めに、「奇術愛好家なら誰でも種明かしには反対だろう」と書いた。しかし、僕自身は必ずしも反対ではない。僕はテレビ番組等でされる無意味な種の暴露には反対だが、例えテレビであっても、明らかに指導を目的とした番組ならそれは許される事だと思っている。」
「種は公開する事が悪いのではない。公開するためのルール作りが必要なのだ。そして、奇術界はルール作りが未熟だから外部のものに付け込まれるのである。ルールとは奇術家が団結する事で作り上げるものだ。そのために奇術家は団結しなければならない。奇術家がその事に気付いて、本気になって、こたつから抜け出て、自ら行動しようとするのはいったいいつの事だろう。」出典:「現代奇術論11〜15」(「M・U・M JAPAN」No.12('95.8)〜No.15('96.4))
(1998/6/.28 中村 安夫)
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Update: 2001/5/31