「マジック種明かし番組」問題

日本テレビへの抗議文

Update: 2001/6/23


はじめに

以下の内容は、6月16日放送の『スーパースペシャル2001 噂の覆面マジシャンが禁断のトリック大暴露』に対して、日本テレビに宛てた私の抗議文です。

日本テレビへの抗議文

日本テレビ放送網株式会社 御中

 私は、アマチュアの奇術愛好家です。御社は、これまで数々の優れたマジック番組を制作され、私たちを楽しませてくださいました。1978年の開局25年記念では、「'78世界奇術大賞」を開催され、リチャード・ロス、アリ・ボンゴ、スライディニーなど世界のトップマジシャンの素晴らしい演技をテレビを通して、紹介されました。また、1998年の開局45年記念では、「デビッド・カッパーフィールド日本公演」を主催され、世界のトップマジシャンのステージを私たちに見せてくださいました。

 ところが、6月16日放送の『スーパースペシャル2001 噂の覆面マジシャンが禁断のトリック大暴露』を見て、とても残念に思うとともに御社の良心はどこにいってしまったんだろうとショックを受けました。

 この番組では、マジックを愛する人たちが長い間守ってきた大切な秘密が公然と暴露されました。これは、マジックを職業とされているプロマジシャンの生活権を侵害するだけでなく、マジックというエンターテイメントを楽しみにしている多くの人たちからも「驚き」という体験を奪ってしまいました。

 今回出演した、マスクマジシャン(ヴァレンチノ)は、3年前に米国ショービジネス界から追放され、また2年前には不法就労により、ブラジル連邦警察から国外退去させられた人物です。御社が、このような人物をゴールデンタイムの2時間スペシャルに起用されたことは、大変軽率な行為でした。

 世界には、デビッド・カッパーフィールドやランス・バートンなど優れたマジシャンがたくさんいます。どうぞ、「トリックの暴露」という誤った方向ではなく、真に視聴者を楽しませてくれるような本格的マジック番組を制作してくださるよう、強くお願いいたします。

2001年6月23日 中村 安夫


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Update: 2001/6/23