「マジック種明かし番組」問題

植松正之氏の意見

「公共の場での種明かし3原則」

Update: 2001/10/14


はじめに

次に、ご紹介するのは、アマチュアの奇術愛好家、植松正之氏のご意見です。氏は、私と同じ横浜マジカルグループ(YMG)の会員です。有益なご提案をいただきましたので、以下にご紹介します。

植松正之氏の意見

マジック種明かし問題に付いて

                                     2001年10月13日
                               横浜マジカルグループ所属 植松正之

スティング(中村安夫)さんのご努力で、この問題に関するご意見もそろそろ出揃ってきたかに見えます。問題の性質上、さまざまのご意見、立場があるのは当然ではありますが、この辺で一旦コンセンサスを集約していくための一提案として以下のようなたたき台を作ってみました。
なお、私自身は、「種明かし」はすべてがいけないわけでもなく、すべてが肯定されるものでもなく、「公共の場での種明かしには節度が必要」だと考えている一愛好家です。

「公共の場での種明かし3原則」

1.古典のタネは明かさない

何が古典かなどは少なくともマジシャンの間では議論の必要はないと思います。リング、四つ玉、サムタイなど、長いあいだに先人の努力でクラシック、スタンダードとして定着し、今後とも多くの観客を魅了しつづけるであろう重要な財産の価値を無くしてしまうのは愚かなことです。そして、愚かな方がいるのは悲しいことです。

2.原理のタネは明かさない

マジックには一つ一つのトリックとは別に、ジャンルとしての原理のようなものがあります。例えば、「マジシャンズチョイス」とか、「ケースバイケース」あるいは「フォース」のようなものです。「ツインズ」などもそうかも知れません。そのようなことがあるのだと知ったとたん、多くのマジックの魅力が一気に色褪せてしまう事になります。マジックを演じることに縁のない人たちにこのようなことを知らせて一体何の意味があるのでしょう。テレビなど、公共の場でこのようなことの公開が続けば、マジック界は単なる一つのトリックを失うのではなく、豊かな世界を次第に小さくしてしまうことになると考えます。

3.他人の商売ネタを明かさない

こんなことはあらためて言うまでもないことですが、ことマジックに限らず、人のビジネスの邪魔をしてはいけないに決まっています。現に今、プロがビジネスに使っているネタを得意になって明かして報酬を得たり、さらにはかの覆面選手のごとく、種明かしというビジネスを邪魔されたと嘯くにいたっては論外です。

以上、ごくごく当たり前のことかとは思いますが、現状の百鬼夜行状態は如何なものかと思い提案致します。


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Update: 2001/10/14