スティングのデビッド・カッパーフィールド物語(第1回)

少年マジシャン - Davino

 

更新日 2000年6月1日


 デビッド・カッパーフィールド(本名David Seth Kotkin)は、1956年9月16日、ニュージャージー州Metuchenで生まれました。

 彼は、子供の頃からマジックが大好きな少年だったようです。初めて覚えたマジックは、祖父から教わった耳からコインを取り出すトリックでした。祖父からは、いろいろのマジックを見せてもらったようで、最近のツアーでも Grandpa というタイトルの4枚のAのカードマジックを好んで演じています。

 11歳の時には、既に地元の人気者になっており、近所のパーティーなどで、「少年マジシャン ダビーノ(Davino, the Boy Magician)」の芸名でマジックを見せ始めました。この頃、家の中でダンシング・ケーンを練習している貴重な映像が残されています。

 その後、14歳の時に、彼は最年少マジシャンとして、SAM (the Society of American Magicians)への入会が認められました。

 16歳までに、彼はニューヨーク大学でマジック・コースを教えていました。講座の名前は、"The Art of Magic"。この時、彼はまだ高校生でした。

 当時の記録は、ほとんど伝えられていないのですが、興味深い事実を二つ紹介します。

 一つは、ターベルコース・イン・マジック (The Tarbel Course in Magic)に彼の作品が収録されていることです。第7巻(54ページ)に、デビッド・S.コトキンの「MENTO-PEN」(メント・ペン)というトリックをハリー・ローレイン(Harry Rorayne)が解説しています。

 もう一つは、最近知ったのですが、彼の考案した作品がBob Little's Guaranteed Magicから商品化されていたことです。David Kotkin's Egg To Ribbons という作品で、玉子が3本のリボンに変化するという現象です。商品解説書には、次のように書かれていました。

「一生に一度、とても若く素晴らしいマジシャンは、マジック界に新鮮なアイデアを提案するでしょう。こんな若者が現れました...」

"Once in a lifetime a very young and fine magician will come up with new and fresh ideas in the magic fraternity. This young man has arrived..."

 解説書の終わりに、コトキン自身の言葉も添えられています。

「これを演じてください。その可能性は無限です。幸運を祈ります!ダビーノより」

"Play with this, it's possibilities are unlimited. Good luck!! --Davino." 

 その後、デビッドは、この言葉通りに自分の可能性を追求し、次々に夢を実現させていきました。

 次回は、大学入学以降のエピソードを追っていきます。


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