Dr. Tashiro のマジックレポート (No.1)

世界マジック・フレンド・コンベンション
(World Magic Friends Convention) 

第2日目 (10/9) : ディーラーズショー


(2)ディーラーズショー

 1人4分。1分前になると、「1分前」の札を持ったスタッフが現れる。さらに、制限時間になると「終了」の札を持ったスタッフが現われ強制的に終了させられる。

@東京マジック(東京)

  (i)フラッシュオープナー(シルクの色が変わりケーンが出現、さらにジャンボカードファンの出現。)
     (ケーンなしで6000円)
 (ii)バラの香り(白いバラの咲いた枝をもって登場。バラは白いシルクに変わる。いつのまにか赤いバラが咲いている。)(3800円)
 (iii)メキシカンロープ(3つの輪が出来るのは従来通りだが、輪の大きさが3つとも異なる。)(3500円) 
  (iv)ダンシングハンカチーフ(ゾンビボールの白シルク版。)(9500円)
  (v)シンフォニーリング(アルミパイプ製。)(18000円)

感想:

 一般的に、パイプのリングは軽くてよいのだが、リングとリングがぶつかったときに出す音がよろしくない。チャリンチャリン、ではなくってガランガランという感じ。今回の商品の音までは記憶にないが。「バラの香り」は山下裕司さんの「幻想のバラ」とどういう関係にあるのだろうか?

Aオフィス西川(奈良)

  (i)電球が割れる(9000円)
  (ii)スケッチブックに描いたデックでライジングカード(12000円)
  (iii)上着の内ポケットに入れておく整理用ポケット(2500円)
  (iv)ホーバーカード(デックのトップが浮く)(2500円)
  (v)風船の串刺し(串を最良の状態に保っておく筒つき)(3800円)

感想:

 (i)はビニール袋に入れた電球が突如としてぱちんと割れて粉々になるというもの。迫力はあるが、よほど演出を考えないと一発芸で終わってしまいそう。(ii)は、Cardiographic というMartin Lewis原案のマジック。ちなみに、ハンク・リーでは「オリジナル版」と称して130ドルで販売している。デビッド・カッパーフィールドが演じて一躍有名になり、最近色々工夫されて同じ様な現象がたびたび演じられている。今回紹介されたものが、どのようなものかは不明。

BUGM

  (i)取り出し用テーブル(16000円)
  (ii)新聞の復活(フラッシュして復活する)(4000円)
  (iii)変身ハンカチ(紅白の2枚のシルクが紅白縞模様の2枚のシルクに目の前で変わり、さらに2枚で輪をつくると、輪が大きくなり10枚のシルクの輪になる。)(5800円)
   (iv)ミルクジョッキ(8000円)

  ※カタログはコンベンション期間中は無料。
  最後の3色ロープのマジックは時間切れで演技途中で中止。

感想:

 山本勇次さん自らが演じられた。フラッシュとともに、新聞が復活するのは、まあ格好いいけれど・・・ずいぶん昔の話で恐縮ですが、新聞紙の真ん中をダイヤ型に切り取って、切れたところに火をつけると少しだけフラッシュして、穴が元通りに埋まってしまうというのがはやりました。今回のは、火をつけなくても自分からすすんでフラッシュするので、まあ進歩です。変身ハンカチは紅白縞模様のシルクがたくさんセットされていて、そのシルクが欲しかったということもあり、購入した。尚、今回を機会にUGMの会員になり、ビデオ最新情報全10巻(現在11巻目が手元に郵送されたが)と、ビデオカタログ数本をいっぺんにもらってきた。最新情報には、商品情報以外にカズカタヤマさんのコインマジックのレクチャーなど色々盛りだくさんの情報で感心した。

Cスティーブンス・マジック・エンポリューム(カンザス)

 ジョー・スティーブンス氏が演技をして、喝采を浴びていた。風呂敷から数本の毛花の出現。フラワーチューブ。大きなシルク(取り出し用で美しい)をみせるだけ。マクドナルドの袋から、5メートルくらいの大きなストローの取りだし。マッチの火が突然火炎放射器のように「ぼー」っと燃え出す。フラッシュペーパー。バニッシングケーン。口から取り出すための、豆電球付きコード(もちろん点灯している)。

感想:

 マクドナルドのストローはマクドナルドで演じると絶対受けるだろうと思い、買おうとしたがすでに売り切れだった。ないとなるとどうしても欲しくなるのが人情。あとで郵送してもらうことにした。黄色、赤のストライプ入りの白いストローは本物そっくりの逸品だ。その他マッチのマジック、Terry HerbertのTEL'S BELLS、THE TRANSPARENT CARを購入した。

Dハンク・モアハウス(ミシガン)

 1枚のバイシクルのカードを投げると瞬間的に表が変化する。リングとシルク(白いプラスティックの輪がシルクを通り抜ける)。ジャンボカードのクイーンとキングの入れ替わり。美しいプラスティック製のカードであり、スライドして変化するようになっている。(胴体の部分は変わらない)それぞれのカードを赤と黒の袋にしまい、袋をもってもらうお客さんの腕にも赤と黒のシルクをそれぞれ結びつけて行う。

感想:

 売場に行くと、次々に見せてくれるのだが、みんな種明かしもしてくれる。種がわかったから、もう買わない・・・という態度は取りにくいので次々買う羽目に・・・ハンク氏、あなどれす。(笑)Joker Magic 1996と書いてあるAppearing Decks、リングとシルク(シルク付き)、変化するカード、3本の紐のマジック、あげくの果てには何に使うのかよくわからない、がりがりと音を出すギミック全5点、12700円のお買い物でした。

Eマジック・エフェクト(埼玉)

  (i)レクチャービデオ2巻セット(7000円)
  (ii)透明バインダーを利用した神田祭(バインダーの中に外れた紅白のシルクが残るようになっている。さらに、バインダーを開くと瞬間的に紅白のシルクが紅白縞模様のシルクに変化する。)(3800円)
  (iii)スーパーワレット(お札を完全に財布に入れず、端が少し見えるように挟んでおく。目の前でそのお札が変化してしまう。)(2500円)

感想:

 藤原邦恭さん自らの演技。スーパーワレットは解説書に99年と書いてあるので、藤原さんの最新作品なのだろうか?目の前で変化する現象は非常に不思議でインパクトがあった。さっそく購入して研究することにした。尚、(ii)はUGMのビデオの中でご本人が懇切丁寧に解説されている。

Fマジック山下(奈良) 

  (i)幻想のバラ(ビデオつき。赤いバラがシルクに変わり、もう一度バラが返り咲く。
    さらにバラの色が変わる。)(5000円)
  (ii)スリーポイントロープルーティン(ロープトシルクのルーティン)(4800円)
  (iii)ミリオンカード用カード(定価不明)

感想:

 山下裕司さん自ら演じられた。

G道化師(大阪)

 (i)アメージングコイン(デックでふたをしたグラスに4枚のコインが次々に入る。コインを消すためのスタンドと、ギミックデックつき。)(7800円)
 (ii)ビアリキッド(ピッチャーからビール瓶に水を入れ、ふたたびピッチャーにもどすと、ビールに変化している。そのままピッチャーからグラスについでお客さんに飲んでもらえる。
   (本物のビールであることの証明)(16800円)

感想:

 売場ではジャンボコインが目に付いた。

Hマジカル・アート・クリエーション(京都)

 ジョニー・黒沼氏が演技。チャーミングフラワー(1800円)、エンゼルフラワー(球状の取り出し用毛花)(10000円)、3本筒(ビデオつきで9000円)。

感想:

 毛花に力を入れておられる様子。特注品なども受けていただけるのだろうか?

Iマジック岸本(大阪)

 カメレオンシルク(フルセットで3000円)、ペーパーコーンからシルクとバネ花の取り出し(4500円)。後者は、白いバネ花を5つ白いシルクで包み、赤いバネ花を5つ一緒にして赤いシルクで包む、というふうに重ねていき、ネタとする。ネタが見えないように紙をあらため、コーンをつくる。まず、シルクを1枚取りだし同色のバネ花を取り出す。あとはくり返し。途中あらためも出来る、応用範囲の広い小品だと思う。

感想:

 売場では、クロースアップマジックを意欲的に演じておられた。

Jマーカ・テンドー

 特にショップではありません、とのコメントがはいる。アピアリングケーン、ブレンドシルク(4枚のシルクが大きな1枚のシルクになる。特製シルクが美しい。)、振り出し用旗(大きくて迫力ある)などの素材を見せてくれた。アピアリングケーンでは、「皆さん、こんなご経験はありませんか?」といって、「従来品」でシルクがケーンに変化する現象を見せる。ケーンの先から赤いシルクがのぞいている(ケーンが短いため、シルクが中に収まらない)・・・「そこで、今度長めのアピアリングケーンをつくりました・・・ただ自分の身長にあわせてつくっただけ(笑)・・・との噂もありますが・・・」

感想:

 振り出し用旗は大昔からあるけれど、昔のは日章旗がでてくるのではなかったか?旗をさらに大型にしてかつカラフルなものにすることで、Jリーグの応援を彷彿とさせる若々しくて清々しい印象を与えるトリネタになるのだなと思った。たとえば、カナダ出身で98年のSAMニューオリンズ大会でチャンピオンとなったベン・シーザーが、99年のSAM Japanの浜松国際大会で行った演技などが思い出される。

スティングのコメント:

今回は、コンベンションの素晴らしい雰囲気に乗せられて、予定外の買い物をいろいろしてしまった。しかし、実演を見てから選べるのが嬉しい。

私の購入した商品は、以下のものである。

  • 第3の透視(東京マジック)

仕掛けのない辞書の任意のページの単語を透視するという現象。
実演を見て、タネを感じさせない印象が気に入った。

  • カーディオグラフィック(マーティン・ルイス考案)(オフィス西川)

デビッド・カッパーフィールドが演じて有名になった作品。前から欲しかったが、今回は市価より1万円以上安いという超特価。

  • マジクロス・デック(マジカル・アート・クリエーション)

これも、黒沼さんの実演を見て気に入った作品。ちょっとした演出を思いついたので、これから私のお気に入りトリックになりそうである。

  • あなたの好きな時間(マジック岸本)

以前、TV番組で考案者の益田克也さんの実演を見て、不思議でたまらなかった作品。

  • Vランクカード(マジック岸本)

一瞬、眼を疑うようなビジュアルな現象。人前で見せるには、ちょっと練習が必要。

  • 掌PALM 20号(マジック岸本)

124ページで500円というマジックファンが泣いて喜びそうな価格と内容。

  • GENII '99/9 ナポレオンズ特集号(テレビランド)

スティーブ・コーエン氏のナポレオンズ紹介ページが興味深い。

  • 超カンタンおもしろマジック(ナポレオンズ)(テレビランド)

ブースでは、パルト小石師がサイン直筆で販売していた。


つづく   


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Update: 1999/11/3