スティングの独り言

デビッド・カッパーフィールド東京公演
でちょっと気になったこと

Update: 1998/5/16
Rev.1: 1998/5/5


はじめに

 大成功だった東京公演だったが、いくつか気になることがあったので記しておこう。

開演が遅れたこと

 4月29日15:30からの3回目の公演では、開演時刻が20分程遅れていた。この回だけのことではなく、いつもこのくらい遅れていたようだ。 これは、どういうことだろう(注1)。開場時刻は、開演1時間前に設定されており、観客の立場からすると、開演時刻に合わせてショーを見る気分を盛り上げていくものだ。日本テレビのプロデューサー、シミズ舞台工芸の舞台監督、いずれのタイムキーパー役に問題があったのだろうか。

開演前のスクリーン上映

 開演前、3面の巨大スクリーンに、雪の映像が流れ始めたのを見て驚いた。最後の演目は、"Snow"だったのを知っていたからだ。"Dreams & Nightmares"(夢と悪夢)を初めて見た観客にとっては、問題にならない光景だったのかもしれない。しかし、少なくとも昨年11月のラスベガス公演の時には、こんなことはなかった。どうしても、この映像を選択した意図(注2)は理解できない。まさか、伏線を張ったつもりだったのだろうか。

Flying の舞台装置

 Flying は、十分素晴らしいステージだったが、CBS TVスペシャルでの舞台装置と比較すると、あまりにも素っ気ないものであった。今回のステージでは、ホリゾントプレーンの前に一面の布を被っただけだったが、TV放映では、立体的なオブジェ数点に加えて、ドライアイス効果も使われていた。私はタネが見えてしまうのではないかと、内心ヒヤヒヤして見ていた。

デビッドの日本語

 彼は、一生懸命日本語を覚え、たびたび、日本語のセリフを発して観客を沸かせた。しかし、あえて言えば、少し日本語の数が多すぎたのではないだろうか。外国人が日本語をしゃべると、どうしてもコミカルな印象が出てしまう。語感によって、ユーモア感を出すのは、けっして彼の本意ではないだろう。彼のキャラクターでは、むしろ逆効果の面が大きいと思う。

通訳のこと

 マジックショーにとって、通訳の問題は本当に難しい。一番問題なのは、演技のリズムが変わってしまうことだ。しかし、通訳してもらわないと、多くの観客にとって、動作の意味が伝わらない場合もある。私は、昨年11月のラスベガス公演で、通訳なしの"Dreams & Nightmares"を見てきた。比較すると、やはり通訳がない方が、じかにデビッドと接しているようで良かったように思える。

1998. 5.5  スティング


脚注:後日、マジックフォーラム(NIFTY SERVE)のメンバーの方々から寄せられたコメントを反映しました。

(注1)意図的な開演遅れだったようです。しかし、何も説明がなかったのは不親切です。
(注2)窓の外の雪を表したもので、最後のSnowの伏線だったというのが大方の意見でした。


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Update: 1998/5/16