Update: 2001/10/27
以下の内容は、World Alliance of Magicians (WAM) 名誉会長のウォルター・ブラニー師が小谷純司氏を通して、日本のすべてのマジシャンに宛てたメッセージです。
緒川氏がTV番組で行った「サムタイ」や「クラシックフォース」の暴露について、すべてのマジシャンを傷つける背信行為であると断言しています。この行為は、マジック界の裏切者・ヴァレンチノ(マスクマジシャン)と同じことであるとも指摘しています。この意見には、WAM会長のアッブ・ディクソン師も全面同意していますので、これはWAMの公式見解であると考えられます。
小谷純司氏と日本のすべてのマジシャンへ 緒川氏が日本の全国放送のTV番組でクラシックフォースを暴露したというビデオを見ました。私が驚いたのは彼がそのフォースを非常にうまくやっていて、観客を楽しませていたようだったのに、その後でやりかたを暴露したことでした。 長年、専業のプロマジシャンとしてやってきた者として、私にはこの行為はまったく理解できません。その暴露の目的は何だったのでしょう?ヴァレンチノと同じくその行為によってお金を得ることではないかと私は思います。もちろん、この行為はすべてのマジシャンを傷つけます。一般の人たちは「カードのフォース」が何のことなのかなど、知りません。うまく行われれば、一般の人たちはそんなものが存在することを知ることは決してないのです。クラシックフォースをカードマジックに使うことは、それを奇跡にする一助となり、すべての人を大いに楽しませます。一般の人たちはそんな秘密など知りたくありません。彼らはだまされたいのです。彼らはマジックを楽しみたいのです。すべてのマジシャンが基本ルールを知っています。それは、「keep the secret...don't expose magic」(秘密を守りなさい、マジックを暴露してはいけません)です。 この暴露は「レクチャー」ではありません。「啓蒙」でもありません。基本的な秘密やマジックの原理を全国放送のテレビで一般の人たちに露出していれば、そんなことはないのです。 もしマジシャンが人々の興味をマジックに対して向かわせたいなら、マジシャンは基本的なビギナーネタの「簡単にできる手品」から何なりと選んで教えるべきです。ソーダのストローの中で切って復活するヒモとか、ハンカチの中で折って復活するつまようじとか、そういうものをさせましょう。しかし、クラシックフォースや、あの有名なサムタイはいけません。どちらも経験を積み重ねたプロや、情熱を持ったアマチュアのマジシャンたちに帰するものです。 こういうのはマジック界の裏切者・ヴァレンチノがやっていることです。汚い金のために兄弟のようなマジシャンたちを背中から刺す行為です。緒川は「マジックの先生」などではありません。彼は単なる、もう一人の裏切者です。私が思うに、緒川とその師匠の柳田は日本の奇術界に対してひどい危害を与えています。ヴァレンチノが世界中でマジックに対してやっているようなことと同じです。 WORLD ALLIANCE OF MAGICIANS (WAM) 名誉会長 (原文) TO Jun Kotani and all magicians in Japan |
秋元、緒川両氏のコメントについて述べます。どうやら彼らは間違っていたことを認めて恥をかくかもしれないことより、良い点だけを広めることにのみ興味を持っているようです。 残念なのはテレビでの種明かしの「悪い結果について考え思いやる」ことをしていないことのようです。私はウォルター氏の番組に関するコメントに全面的に同意します。彼らは選択した内容で一線を大きく越えてしまいましたし、「彼らの悪い判断をなかったことにする」というのは不可能です。マジックへの情熱と驚きを高める一助とするようなプレゼンテーションを行うかわりに、彼らは暴露を通じて人を落胆させることを選んだのです。 (原文) In going over the comments of Akimoto and Ogawa... it seems that they
were only interested in reporting the "positive" rather than
possibly disgracing themselves by admitting that they were in the wrong. |
参考:マジックキャッスルの見解 (2001/10/23)
翻訳協力:小谷 純司氏
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Update: 2001/11/10