マジック暴露番組が氾濫する昨今、一服の清涼剤をいただいたようでした。
番組制作の方々のマジックに対する深い愛情が感じられました。
プロを目指す若者たちにスポットを当てたのは、素晴らしい着眼点であり、登場するヤングマジシャンとその家族の愛情が画面に溢れていました。
マジックに関しても、コロンのGet Together大会の歴史や、ジョン・カルバート師（８９歳）の存在感など見どころが随所にありました。
中でも、ザーシャ・ジェイちゃん（１３歳）の「未来の新聞」ジョークは傑作でした。
２０２５年 未来の新聞です。
コロンの記事です。
載っているのは・・・
というイントロから始まる「新聞誌の復活」マジックは、今大会で最も受けた演技だったように思います。
番組では、直前に知り合いの人たちの前でのリハーサル風景が紹介されますが、ジョークの場面にきたとき、お父さんが演技を中止するように彼女に伝えます。これは、身内の人たちであっても、本番のジョークの楽しみをとっておきたいという配慮です。これにより、視聴者も本番での彼女のジョークを新鮮に楽しむことが出来ました。
こんなところにも、番組制作者の方々のマジックへの思いが感じられます。
また、入賞のご褒美にお父さんからラスベガス旅行をプレゼントされた彼女の感激の涙は、とても微笑ましいものでした。
さらに、優勝候補のマーク・クーバー君（１７歳）が本番での失敗の後、翌日新たな出発をした彼の生き生きとしたステージで番組を閉めたあたりは見事な構成としか言いようがありません。
このような丁寧な番組作りをしたＮＨＫに敬意を表すると同時に、陰で活躍された村上健治さん（メディアプロデューサー）の貢献も見逃せません。
この番組をきっかけに、私のサイトでも、今後、良質なマジック番組をもっと紹介しようと決めました。
最近の私のサイトの読者傾向を見ると、カッパーフィールドページに対して、マジック種明かし番組問題ページのアクセス数が３倍以上あります。このこと自体は重要なテーマなのでいいのですが、暗い話題が多いので、将来マジックを志す若者たちの夢を壊してしまいそうで気になっていたところでした。
マジック暴露番組リストだけでなく、良質なマジック番組リストを作っていきたいと思います。「１０年ぐらいたったら、暴露番組リストは消え、良質なマジック番組リストばかりが増えている」、そんな夢を思い描きました。
